ぱちんこ依存問題相談機関の認定NPO法人「リカバリーサポート・ネットワーク」(RSN)は、機関誌さくら通信11月20日(第91)号で、10月の相談数は244件と発表。10月は、IR法案からクローズアップした「ギャンブル依存症」のメディア報道による一人歩き、パチンコ店折込みチラシでの「のめり込み防止標語」の挿入など、依存問題に対する転機の時期となった。2014年1月からの累計は2637件、2006年4月からの相談累計は1万4364件となった。
本人からの相談は154件(79%)、家族・友人41件(21%)、援助者1件(0%)。本人性別内訳では、男性116、女性38。本人相談経路(154件中)では、ホール内ポスター91件、インターネット37件、その他12件、雑誌7件、不明・拒否6件、ホール貼付ステッカー1件。
今回の「相談電話の向こうから」(その15)は、ギャンブル依存症の一人歩きがどう電話相談に影響が及ぶかについての事例ともなっている。相談者Aさん(30代)の夫Bさん(20代)の問題行動について。第一子が生まれた3年前から夫Bさんは実家に逃げ込むようになった。蓄えを費やしてパチンコ通いする夫。実家に逃げ込み、実家でパチンコ代を無心する夫。それをとがめない両親。何か仕事上で問題が起きると休む夫。第二子出産を控えて不安を抱きながらの今回の相談。「パチンコ依存症」の一人歩きで「依存症は病気」という固定観念の影響を懸念する相談員。Bさんのストレス要因を聞くほどにパチンコをしてしまう理由が他にあるようだとして、背景に隠れた問題を整理していくことが大切ととらえて いる。IR法案は今回廃案となったが、今後ギャンブル依存症への国会対応もまた課題となっている。
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