RSN 横浜で「ギャンブル依存症の疑い536万人」をどう見るか?

ぱちんこ依存問題相談機関のNPO法人リカバリーサポート・ネットワーク(RSN)は10月5日、神奈川県司法書士会館3F(横浜市中区)において、「『ギャンブル依存症の疑い536万人』をどう見るか?」(主催・依存の問題の支援に携わる人たちの勉強会)の開催に協力し、支援に関わる関係者ら18名が参加した。

「『病的賭博の疑い536万人』という数字がテレビや新聞で踊っています。問題のあるギャンブリングに対する関心が高まる一方で、数字が一人歩きする危うさも感じます。今、私たちが心にとめなければならないことは何か? 一緒に考えましょう」と呼びかけ、緊急開催した。

最初に佐藤拓氏(精神科医)から、今回、厚生労働省研究班が8月20日に公表された依存症実態調査について解説した。今回の調査では、世界的に最も広く使われている「South Oaks Gambling Screen(略・SOGS)」が用いられ、翻訳され利用されたもの。国内で初めて行われた大規模調査(全体で7000名規模)といえ、国内のギャンブル依存の状況を明らかにしていくための第一歩となる調査。今回注意したいのは、調査結果が高く出た点、そしてギャンブリングの項目の一つにパチンコが含まれた点がある。今後、調査が進められていく最初の段階であり、「ギャンブル依存536万人」という見出しは、飛躍した取り上げ方は、少し時期尚早のようだと、専門家としての感想を述べていた。

その後、高澤和彦運営代表(精神保健福祉士)、中村努氏(ワンデーポート施設長)、稲村厚氏(司法書士)のそれぞれから、今回の調査による現場での受け止め方、今後の課題などディスカッションした。

依存の問題の支援に携わる人たちの勉強会は、原則として毎月第1日曜日に開催している。お問い合わせは、ワンデーポートまたはRSNまで。