ぱちんこ依存問題相談機関のNPO法人「リカバリーサポート・ネットワーク」(RSN)は4月19日、全日遊連の理事会後の記者会見において西村直之代表(写真)が出席し、毎年調査集計している2016年ぱちんこ依存問題電話相談事業報告書について説明した。
報告書によると、平成28年の年間電話相談は2502件(前年より465件減)、月平均208.5件(前年平均247.0件)。開所以来の総相談件数は2万273件。概況として、西村代表は、「平成28年は、ホールを取り巻く営業環境が厳しくなった事もあり、相談件数は2500件と低かった。平成27年8月に日工組&全商協の協力により、全商協に支援室ができ、のめり込みの相談以外を担当していただき、それが260件ほどあった。直接、相談電話につながるのは、ホールに掲示したポスターからが多かったが、それが昨年は減少していた。本年、RSNポスターの掲示を徹底した事で、2月から相談件数が倍増している。昨日現在で1200件(月400件以上)を超えており、対応に追われています。ポスターを掲示していただく事で、初めて見た方が相談につながりやすいと思う。今後、顧客保護のサービスにレベルアップしていくスタート地点にきている」と説明した。
RSNは相談をスタートして11年になり、過去10年間を整理してみると、相談者の性別では、男性がほとんどであり、女性の比率が少ない事が特徴。一方、酒、タバコの比率では、男性よりも女性の比率がこの10年でアップしている傾向にある。「パチンコだけは変わっていない。年齢層も変わっていない。という事は、パチンコののめり込みは、今の時代に起こっているのではなく、古いパターン、男性優位で問題が起こっていると思われ、少し特異な事として見ている。男性に親和しやすい娯楽から、女性も安心して参加できるよう、内的な進化につながっていって欲しいと思う」(西村代表)。
昨年のIR推進法案の審議、ギャンブル依存症関連のニュースの影響については、「数年前、ギャンブル依存症がニュースになった時、相談件数が一時伸びたけれども、昨年はメディアが刺激しても変化はない。現在は、純粋にパチンコについての電話相談となっている傾向が強い。ただ、現状の相談傾向で気になるのは、全然回らない、悔しいからパチンコ店に行っているという声が増えているようだ」(西村代表)と述べていた。
なお、翌20日には、同報告書の説明のため警察庁を訪問。 「2016年ぱちんこ依存問題電話相談事業報告書」は、RSNお問い合わせフォーム等で申込み可能。