PAA ギャンブル等依存症問題勉強会(会員向け)開催

一般社団法人ぱちんこ広告協議会(大島克俊理事長)は5月18日、オンラインを併用した「ギャンブル等依存症問題に対するパチンコホール事業者の実際の取り組みについて」をテーマとした「ギャンブル等依存症問題勉強会」を開催した。

講師は、認定NPO法人リカバリーサポート・ネットワーク(RSN)の西村直之代表理事(精神科医)、(株)マルハンの鈴木智一氏が務め、丈幻氏(パチンコ研究家)の司会により、依存問題啓発週間という中で、RSN活動、ホール経営企業の様々な活動を聞き、のめり込み問題と向き合った。鈴木氏はRSNのある沖縄に出向(第6期生)、相談業務に携わった経験から、現在も社内外へ精力的に依存対策の働きかけを行っている。

冒頭、PAAを代表して大島理事長は、「コロナ禍でのギャンブル等依存症問題啓発週間(5月14日〜20日)となりましたが、業界内の取り組みとしてパチンコ・パチスロ依存問題フォーラム実行委員会によるウェブフォーラムが開催されるなど、様々な取り組みがされています。そうした中、PAAとしては改めて会員向け勉強会を開催する事にしました。これまでも和歌山県(2020年2月・和歌山遊協主催)や三重県(2020年2月・三重遊協経営者研修会)などで勉強会開催に協力してきたが、より深く具体的にお話しいただける環境を作るため、今回はあえてクローズドとしました。会員の皆様にはぜひこの勉強会を通して、ギャンブル等依存問題に対しての理解を深め、今後の活動に活かしていただければと思います」と挨拶した。

勉強会に入り、西村代表からは、RSN設立(2006年)の経緯や支援体制、相談件数や内容の変遷と現状、コロナ禍での相談者の変化、また世界におけるギャンブリングの動向などを聞いた。鈴木氏からは、RSNでの経験も踏まえ、現在行われている様々な取り組みなどを説明。依存問題対策を紹介するイラスト、オリジナル動画などを通して、業界挙げて取り組んでいる依存に関する理解を深めた。

PAAに望む事として西村代表は、「RSNだけでは難しい、ファンや社会とのコミュニケーションラインを拓くきっかけづくりを期待したい」。鈴木氏は、「依存対策だけに限らず業界が取り組んでいる社会貢献活動など、ファン(社会)に伝わる発信をお願いしたい。他団体でも業界の取り組みを発信しているので、連携して発信力を高めてほしい。また、基本計画など国や自治体からの要請が打ち出されてから対応ではなく、積極的に先手を打った施策の展開を期待しています」など、提起があった。

質疑応答では、個人個人への回復支援の必要性を感じているが全国にどの程度の施設や拠点があるのか、身近な人に依存傾向が感じられた時の接し方はどのようにすればいいのか、などの質問があった。

最後に松丸仁副理事長は、「電話相談現場の情報や生の声を聞け、よい勉強会になったと思っています。西村代表と鈴木氏からいただいた要望など、PAAそして会員各社が推進していかなくてはならないと感じました。持ち帰り進めていきたいと思います」と開催意義を述べ、謝意を述べた。