IR法案 今国会での成立は限りなくゼロ!?

今国会、衆議院で審議中の「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」 (通称・IR法案)は、会期中(6月22日まで)の成立は難しい状況となっている。

6月5日の日遊協総会・懇親会に来賓出席した平沢勝栄衆議院議員は「今国会での成立は限りなくゼロ」と示した。「国会の方も通常国会は1月から始まり、早いもので6月22日まで、実際には20日で終わる。延長はない感じだ。会期も残り少なくなって、議員立法案が一杯来ている。その中にIR法案がある。この法案が今国会で通ることは限りなくゼロに近い」と秋の臨時国会に舞台が移るとした。

また6月6日、埼玉県遊技業協同組合(山田茂則理事長)の第47回通常総会・懇親会に来賓出席した神山佐市衆議院議員(写真)は「IR法案について、今国会中に上程されるのではないかと思っている。優先される閣法が片付きつつあり、現在は議員立法案の優先順位が話し合われているところ。IR法案は内閣委員会に提出されており、委員会では、審議に時間をかけることなく、例えば委員長の発議によりすぐに本会議に上程されることもある。IR法案については10数年話し合われ、また法案は超党派で提出されている意味合いなどから、事実上は概ね理解を得られている法案として、後は手続き上の取扱いのようだ。そのため、上程されれば即成立するだろう。2020年のオリンピックに間に合わせたい思いもある」と述べ、IR法案成立は時間の問題とした。

神山議員は、埼玉県遊協の副理事長を務めたこともあり、貴重な業界出身の国会議員。IR法案の成立によるパチンコ業界への影響についても危機感をもって話した。「カジノ法(IR法)が成立した場合、風営適正化法の中にあるパチンコ営業という立場をしっかりと守っていかなければならない。そのためには賞品の取扱い、景品持ち帰りの推進など、パチンコ営業の原点にかえらなければいけない。現在、法人税引き下げのための財源探しが課題となっている。新たな財源としてパチンコ税の新設を進言しようとする考えもあるようだが、それは後戻りできなくなる。よくよく考えていただき、現在の風営適正化法をしっかりと遵守し、地域に愛される大衆娯楽を堅持して行って欲しい」と述べていた。