政府は12月19日、「特定複合観光施設区域整備法に係わる説明会」と題し全国9ブロックで実務者向けの説明会をスタートした。これは12月4日までに有識者会議「特定複合観光施設区域整備推進会議(議長 山内弘隆教授・一橋大学大学院経営管理研究科/略称・IR推進会議)」がまとめた「特定複合観光施設区域整備推進会議 取りまとめ〜主な政令事項に係る基本的な考え方〜(案)」を受け、広く国民への丁寧な説明を通じ、国民の理解を得ていく(国会附帯決議による)ため、日本全国で計9回(1月19日まで)説明会を行っていく。
説明会の最初は「関東ブロック」で、気象庁別館2階講堂(東京都千代田区)においてIR実務者(自治体、関連事業者など)260名余が参加。ただ、非公開(プレス関係は撮影等禁止)という雰囲気での説明会だった(交渉により開始前撮影のみ許可)。
説明会は、中川真次長(IR推進本部事務局)より、14回にわたるIR推進会議の取りまとめ(案)により、主な政令事項の方向性として「IRとは何か」「IR整備法の概要」「開業までのプロセス」「弊害防止対策」「刑法の賭博に関する法制との整合性」「主な政令事項の基本的な考え方」、そして「よく聞かれる質問への回答」を説明(約90分)。IR認定申請主体となりうる47都道府県、20政令指定都市の方々からの質問等踏まえた概要説明となった。その後、参加者からの質問に答えた(約30分)。
「開業までのプロセス」説明において、「カジノ管理委員会」は、平成31年度の予算で概算要求している段階、2019年7月1日発足を目指す。次いで政府「基本方針の策定・公表」(2019年夏頃)。自治体は「実施方針の策定・公表」「IR事業者の公募・選定」「区域整備計画の認定申請」を行う。認定審査の上「区域整備計画の認定・公示」→「実施協定の締結」→「カジノ免許申請」(厳格な免許審査)→「カジノ免許付与」→「完成検査」「IR開業」とかなりの手続きが必須となる。そうした事から、カジノ管理委員会発足前の段階では予測困難としながら、シンガポールの開業までのプロセスを参考に想定すると「2020年代半ば」になるという見通し(要旨)。
中川次長は、日本により良いIR、誰の目から見ても作って良かったと思えるIRを完成させるまで、それが私ども政府の任務(要旨)と述べ、理解と協力を呼びかけ閉会した。
案内は1週間と短期の募集ながら多数が参加
説明を行った中川次長(右)