政府は8月17日、中央合同庁舎8号館1階講堂(東京都千代田区)において「考えよう、日本型IR!」と題して、IRに関する説明・公聴会を開催した。これは7月31日までに有識者会議「特定複合観光施設区域整備推進会議(略称・IR推進会議)」がまとめた「特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ〜『観光先進国』の実現に向けて〜」を紹介し、広く国民から意見を直接聴取するため、日本全国で計9回説明・公聴会を行うその初回となった。
まず、IR担当大臣である石井啓一国土交通大臣のあいさつで始り、事務局から「取りまとめ」の説明を行った。それを受け、事前応募の意見表明者による意見等を聴いた。石井大臣は、昨年末のIR推進法を受け、1年間を目途として法制化(IR実施法)の措置を行わなければならないため、IR推進会議を設けて、検討し「7月31日、日本型IRの具体化に向けた検討の結果が取りまとめられた。8月1日のIR推進本部では、本部長の安倍総理から、8月一杯にかけて、パブリックコメントや全国各地で説明・公聴会を行い、国民の皆様に丁寧に説明するよう指示があったところです」と、説明・公聴会の開催趣旨を述べた。
意見表明者は、個人・企業団体などから17名。その内、5名欠席により、12名が意見(持ち時間3分)を述べた。その内、ギャンブル等依存症の対策が不十分との理由などから、4名が反対意見を述べていた。また他の質問では、入場規制の際のマイナンバー利用について、カジノフロア面積規制について、ポーカーゲーム(トランプ)は原則日本型から外した理由など、様々あった。ギャンブル等依存症については、政府としても対応を進めており、ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議(平成29年3月31日)において、ギャンブル等依存症対策の強化に関する論点整理など通じて、鋭意対応を進めているとした。
その後、一般傍聴席含めた質問(持ち時間1分)を設け、約4名から追加質問があった。その中では「IR実施法が成立しても、カジノ誘致に手を上げる自治体がない場合どうなるか」という質問があった。答弁では「その結果、全く名乗り出るところが無ければ、それまでのところなのかと、理解しております」(会場・笑)と、あくまでも法に則り、制度設計を粛々と進めているとした。
最後に主催者を代表し、IR推進会議の森重俊也事務局長(前国土交通審議官)は、「大変貴重な機会と思っております。私ども政府に求められております、法制上の措置の検討に活用して参りたい」と述べ、公聴会での意見、パブリックコメントも併せて一括して事務局の考え方を公表していく意向とした。東京会場のみニコニコ動画により生中継され、来場者数6873人、コメント数2588だった。なお、パブリックコメントは8月31日まで。
※写真は、ニコニコ動画での東京会場の模様