DK-SIS 白書21冊目・パチスロが営業売上を順調にけん引

ダイコク電機(株)(本社/名古屋市中村区)は7月11日、東京ドームホテルにおいて、「『DK-SIS白書2024年版-2023年データ-』記者発表会」を開催した。2023年の売上規模はパチンコ8.2兆円、パチスロ7.5兆円で、全体で15.7兆円と推計し、コロナ禍からやっと平常に戻りつつある業容とした。粗利規模はパチンコ1.44兆円、パチスロ1.10兆円で、全体で約2.54兆円と推計。業界総粗利・遊技機利益規模が回復基調にあり、パチスロ業績が大幅に回復、スマートパチスロが業績をけん引しているとした。

発表会には、栢森雅勝代表取締役社長、MG推進部SISプロフェッショナルの片瀬宏之首席講師が出席。栢森社長は、DK-SIS白書は発刊をスタートさせて21冊目になったと謝意を示した。その間、業界を取り巻く様々な変化があったが、業界の実状と今後の動向予測を行ってきたことで、業界内外にパチンコ産業への認知を促せ、道標となったとし、DK-SIS白書の発刊意義を伝えた。

同白書はDK-SIS会員の実・営業データを基に2023年のパチンコ市場を分析・推計したもので、今年で21巻目。DK-SISは、遊技機台数140万7257台(2024年3月末時点)、全体市場規模の4割を超えるカバー率、業界として唯一のビッグデータを保有している(店舗数が減少している中、DK-SIS会員は着実に業容を積み重ねており、貴重な指標となって精度の高いデータとなっているとした)。

片瀬講師は、2023年の業界キーワードとして、①業界総粗利・遊技機利益規模が回復~5%以上の上昇は東日本大震災後からの実に11年ぶり②スマート遊技機の導入が進むもパチンコ・パチスロで温度差が見られる~パチンコ→パチスロの工事が進む③4円パチンコ遊技時間(アウト)が過去最低を記録④パチスロ業績が大幅に回復~スマートパチスロが業績をけん引、を挙げた。

■パチスロ業績が大幅に回復~スマートパチスロが業績をけん引
20円パチスロは業績が急回復。偏った機種編成にならないよう、全体としてバランスを重視した営業を提唱。スマートパチスロは、着実に貢献。パチスロ全体の42.3%(2024年6月)がスマートパチスロとなっている。
■4円パチンコ遊技時間(アウト)が過去最低を記録
心配していた4円パチンコは、改善施策が見られず、アウトは1万910個、粗利3252円と過去最低を記録。2024年1月~6月のデータでも、さらにアウト1万800個、粗利3280円と低迷。「このまま行くと、パチンコの低迷は続くことが想定される。遊技時間粗利の改善が強く求められる」とファンがついていける営業(長期)対応を指摘した。また、装置産業の面からは「人気のない、売上も粗利もない商品がたくさん並んでいる。その中にちょこっと人気商品がならんでいる。はやらない店の典型です。それでも6割人気ない商品がならび、4割が人気商品という傾向は、いびつな営業といえます」と見直しを示唆した。
■損益分岐割数別業績
パチンコ・パチスロともに損益10割営業の業績が良い傾向。ここでも遊技時間粗利について、見直すことが望まれる。遊技時間粗利とは、1時間当たりの粗利益金額。遊技時間粗利=台粗利/遊技時間により導かれる。「パチンコに興味を持って来店した方が、いざ遊んでみるとあっという間に遊技金額が無くなってしまう、当たらないということでは、また遊ぼうということにはつながりません。データ分析すると多くの来店者は勝てないというのが実情。営業利益を確保したいということに重きを置くと、遊技時間粗利の高騰につながり、ファンは再来店の機会を失うと思う」と、新奇な遊技機開発はもとより、立地環境やファン層に沿った営業施策(機種配分)を唱えた。

●「DK-SIS白書2024年版-2023年データ-」
刊行日/2024年7月
価格/4万9500円(税込)
編集・発行/ダイコク電機株式会社

ダイコク電機株式会社