一般社団法人パチンコ・パチスロ奨学金(吹浦忠正代表理事)は3月30日、東京・市ヶ谷の遊技会館において、2024年度給付生との交流を兼ねた給付式を開催した。
pp奨学金は、社会問題として顕在化していた貸与型奨学金制度の返済に苦しむ若者たちの増加を食い止めるべく、2017年に遊技業界の有志が設立した返済を求めない給付型の奨学金制度。パチンコ店の遊技客から寄せられる玉やメダルを、奨学金の原資に充てているのが特徴で、2017年度から2023年度までに延べ225名の学生に総額1億406万円を給付してきた。2024年度の給付の募集には170名の応募があり、厳正な書類審査と面接により30名への奨学金の給付を決定した。なお、給付生の就学先は四年制大学22名、大学院8名となっている。
当日の給付式には、給付生30名中24名(会場7名、オンライン17名)が出席し、奨学金への感謝とともに、今後の学業の抱負や将来の目標などを披露した。給付生を代表して挨拶した学生の一人は、高専時代から大学、大学院とpp奨学金の支援を受け、その間に若手優秀講演フェロー賞などを受賞できたことを報告し、改めてこれまでの支援に対し感謝を述べた。現在は機械工学を医療技術などに応用する研究を行っており、「今まで様々な人の支えがあって、ここまでやってこられました。医療分野の階段を一歩あがるような成果を出し、恩返しをしていきたい」と抱負を話した。
全日本遊技事業協同組合連合会の理事長を兼ねる同奨学金の阿部恭久会長は、貸与型奨学金によって返済に苦慮する若者が多いことから、業界が一丸となって給付型のpp奨学金制度を立ち上げた経緯などを説明し、「日本の経済力、国力が落ちていると言われていますが、『これからは自分たちが』という志を持って頑張っていただきたい」と給付生にエールを送った。