東京遊協 令和4年度遊技場経営者研修会実施

東京都遊技業協同組合(阿部恭久理事長)は10月19日、東京・中野区の中野サンプラザにおいて令和4年度遊技場経営者研修会を開催した。

挨拶に立った阿部理事長は、「遊技場経営者研修会は今回で18回目となり、2年振りになります」とこの間、コロナ禍含めた法改正への諸対応などを挙げ、組合員数150店舗以上が減少したとした。「来月からはスマート遊技機も登場してきます。これを一つのきっかけととらえ、大幅に減少したファンの皆さまが再び興味を持っていただけるよう、また2023年の都遊協ファン感謝デーを活用して、ファン人口拡大に向けた広告宣伝をこれまでと違った形で展開したい」と協力を呼びかけた。

阿部理事長は、依存・のめり込み対策の基礎研究のあり方について、「あのギャンブル依存症536万人という意味のない調査がセンセーショナルに報じられました」と、パチンコ悪という偏向報道があったことに、悔しく辛い思いだったと述べた。未だに明確な定義は確立していない依存・のめり込みの問題について、ギャンブル等依存症対策基本法の根底には、10年20年前の考え方に基づいた施策となっているもどかしさにも言及。「依存・のめり込み対策は、エビデンスに基づいたものでなければなりません。WHOは今年判定基準を改定しました。日本における依存症対策も見直しをしっかり行い、グレードアップして欲しいと思います」として、政府のギャンブル等依存症対策推進関係者会議の委員の一人として参加する中で、パチンコは日本社会の中で明日への活力として大きな下支えになっていることを感じる一人として対応していく決意を述べた。一方で、大衆娯楽(遊技)という範囲の中ではあるが、一部のホールは未だに過剰な営業(広告宣伝等)姿勢があるとし、組合員一人ひとりが誇りを持って、社会の一員である事を十分に認識してやるべきことを粛々と実行し、信用ある業界に成長する事が最優先と訴えた。

続いて、警視庁保安課の佐藤隆太郎風俗営業係長が行政講話に際して、依存対策とぱちんこ軒数について述べた。①車内放置事案/昨今では、車内放置事案は、保護者のネグレクトが原因と報じられるが、いざ、ぱちんこ店駐車場で事案が起きると責任は保護者にあるにもかかわらず、ネット上などでは、ぱちんこそのものが問題と叩かれる傾向がある。その意味でも、車内放置事案の防止に引き続き協力を要請。②ぱちんこ軒数の減少/都内では、10月現在620軒を割る状況。平成7年1600軒ほどから、27年間で3分1近くになった。コロナ禍の影響が引き続いているが、経営者各位は逆風に立ち向っている。

ぱちんこ営業が今後も健全な遊技場営業として広く国民から支持されるために必要と考えられる事について、違反行為の状況について注意喚起した。

●違反は2種類/一つは、売上を上げるために故意に違反する行為。一時は売上につながるだろうが、長期的に見れば遊技客の不信感を高めてマイナスにつながる。業界全体のマイナスイメージにもつながり悪質な行為。違法とはならないだろうと、横並び意識で行ってしまう事案などは、経営者がしっかり法令遵守の認識のもと対応することが重要。もう一つは、経営者サイドの認識不足による違反。知らなかったでは済まないケースもあり、判断に迷えば所轄に問い合わせして欲しい。

①無承認変更違反/特に「くぎ」の取扱い。くぎが折れてしまい、勝手に手続きを無視した場合、くぎ1本だからといって、事件になる。くぎ曲げ事犯は、ぱちんこの適正管理を阻害する悪質な行為として厳しく取締っている。構造設備の無承認変更も注意が必要。遊技機を減台したことでかわりに倉庫にした、景品カウンターを勝手に統合した無届けなど、現場任せにしない。②広告宣伝/インターネット上の悪質な広告宣伝では、イベント開催の告知、あるいは隠語をもちいたモノ等依然と散見される。また、あたかも第3者のようにみせかけ、ぱちんこ関連の広告会社や運営会社に依頼して、フォロワーが多い、いわゆる晒し屋(インフルエンサー)を使いホールから告知できない情報を配信させている店舗がある。これはホール側の責任となる。こういった晒し屋は、暴力団と関係していたり、違法行為を依頼したとして弱みを握られることにもつながる。違法とはならないだろうと、横並び意識では、晒し屋を使って煽っていると一般から見られることが本当にプラスになるのか、冷静に判断して欲しい。③賞品の適正な管理/賞品買取行為の禁止、賞品の取りそろえの充実、等価交換規制について徹底してほしい。

■「依存防止対策の取組は、業界として避けては通れない取組ですので、自己申告・家族申告プログラムの導入など今後もさらなる推進をお願いします。私の立場は、法令遵守ということの話になってしまいます。実際の事案例を申しましたが、ここにお集まりの方々は法令遵守されている方々と承知の上で、間違いないようお話させていただきました。どうか今後も経営に携わる立場として、合法・違法の線引きを間違えることがないようお願いしたい。11月からスマートパチスロが導入されますが、設置に関する問い合わせ、不明な点については所轄にお願いします。

その後、早野慎吾氏(都留文科大学)が「そんなにパチンコが悪いのか~懲りる文化と懲りない人たち~」と題し特別講演を開催。本年5月理事会で一般書として発行を予定している持論を説いた。最後に、7月参議院選挙後の投票に関するアンケート意識調査に基づいた総括を報告した。来賓の木村義雄氏は、7月参議院選挙では当選ラインに惜しくも届かなかったけれども、応援に対して深甚なる謝意を述べた。

東京都遊技業協同組合