政府は4月7日、改正新型インフルエンザ等特別措置法(特措法)に基づく緊急事態宣言を4月7日から5月6日まで発令した。これを受けて東京・大阪・埼玉・千葉・神奈川・兵庫・福岡の1都1府5県の地域が対象となった。7都府県は、外出の自粛要請を呼びかけたが、休業要請については東京を除く6府県において、言及しなかった。宣言により対象となった7都府県の店舗数は約3600店舗規模、設置台数155万台規模あり、全国規模の3分の1以上が対象となっている。
(株)ダイナムは、7都府県(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・大阪府・兵庫県・福岡県)の全55店舗を4月7日より営業休止すると発表。これに続き、宣言のあった7日、ホール企業の臨時休業への取り組みが次々打ち出されている。
・エスパス日拓は東京・神奈川・千葉の全16店舗で4月8日から当面の間の臨時休業を発表。
・(株)アンダーツリー(キコーナ)は、6都府県(東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県・大阪府・兵庫県)の全115店舗を4月8日より臨時休業。
・(株)マルハンは、7都府県全101店舗について休業とすると公表。
・ピーアークホールディングス(株)は、1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の全32店舗・オフィス・その他施設を臨時休業する事を決定。
など、対象都府県に営業するホール経営企業は次々と休業(短縮営業)を発表し、約800店舗以上が緊急事態宣言に早々呼応している状況。
【東京都】4月6日に案として掲げた施設の使用制限対象については、国と調整中とした。小池都知事は、「4月9日までに、都としての使用制限に関しての成果、成案を得たい。そして、外出の自粛の効果も踏まえながら、翌10日発表、4月11日からの実施、こういうスケジュール感」とした。
【大阪府】7日の記者会見において吉村知事は、緊急事態措置について、府内の施設については現段階では、使用制限などの要請は行わず、外出の自粛要請の効果を見極めた上で、対応を検討するとした。なお、緊急事態措置の概要の説明として掲げた「施設の使用制限を要請する場合の対応案」として、休止の要請を検討する施設の例として「娯楽施設(キャバレー・バー・カラオケ店・パチンコ店)等」を入れていた。
【福岡県】小川知事は7日、緊急事態宣言の対象地域となった事を受けて記者会見し、施設などへの休業要請を当面見送るとした。「まず外出の自粛要請を行う」と明示。「感染状況や外出自粛の効果をみながら、将来的に施設の休業要請を発動できるよう準備する」と述べた。休業要請をした場合の事業者への補償は「検討していない」とした。
【埼玉県】大野知事は、首都圏一体となって封じ込める事が必要という考えを示し、特措法の45条の1項による外出自粛を要請する対応を示した。イベント開催については45条の項目を適用する事はできるが、現時点では特措法24条の一般的な協力依頼にとどめる。「施設の制限については、他の県においては、都は知りませんけれども、同様の措置となっているはずであります。国もそういった措置が適切だと考えているはずで我々もそう思っています」と述べた。
【千葉県】森田知事は、県民に向け、外出の自粛を要請。事業者には、感染防止措置に関する協力依頼。そして、催物の開催に関する協力依頼(感染拡大につながる恐れのあるイベント開催自粛、3つの密を避けられない場合の開催自粛)を呼びかけた。
【神奈川県】黒岩知事は、人との接触を8割減らして欲しいと外出自粛を要請。多くの人が利用する施設の管理者に対しては、「密閉」「密集」「密接」の場面を避け、感染防止対策の徹底を呼びかけ。「今後、県民の外出自粛の効果や、クラスターの発生状況によっては、施設利用やイベントの実施制限などをお願いする事があります」とした。
【兵庫県】井戸知事は、県民に不要不急の外出や人口密集地との往来の自粛を要請。質疑では、7都府県で差が出たのではないかという質問に対して、「東京はかなり踏み込んでいるが、大阪とは今の段階ではそれほど大きな違いはない。東京とは(感染拡大の)状況が全く違う」とした。また自粛要請で具体的な施設を挙げなかった理由として「一つ一つの施設を評価する際は『三つの密』の状況を見るべきで、あえて具体的な表現はしなかった」とした。
*写真は、大阪府の記者会見の模様