公益財団法人 日本生産性本部(茂木友三郎会長)の余暇創研は9月28日、『レジャー白書2021』の概要発表を東京・ビジョンセンター永田町において記者発表ならびにオンライン形式により同時開催した。概要として、2020年のレジャー産業はコロナ禍と向きあいよく奮闘したとした。2020年のパチンコ・パチスロ参加人口(推計)は710万人(前年比180万人減・20%減)、市場規模14.6兆円(前年比27%減)と推計発表した。
レジャー白書は、余暇活動調査等をもとに、我が国における余暇の実態を需給双方の視点から総合的・時系列的に分析・記録している唯一のもので、1977年の創刊以来通算45号目となった。2020年は、コロナ禍が続いた事により、動画鑑賞や読書をはじめとする在宅レジャーの参加人口が上位となる一方、これまで中心的な余暇活動であった観光や外食などが大きく減少した。2020年の余暇市場は前年比23.7%減の55兆2040億円と大幅な減少だったとした。
発表では、長田亮主任研究員と山口有次教授(桜美林大学ビジネスマネジメント学群・学長補佐)が、レジャー市場の動向を説明。余暇活動の参加人口において、前年8位(3510万人)だった「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」が3900万人と急増、首位になった。9年連続で首位だった「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」は、前年比2000万人余の減少となり4位。前年2位の「外食(日常的なものは除く)」も1000万人余減少し6位だった。コロナ禍により、在宅や近場で行える活動として、「読書」「音楽鑑賞」「ウォーキング」「SNS」などの順位が上昇した。
レジャーに大きな影響を及ぼしているコロナの影響について、前年の発表時には4割減になるといった悲観的な質問や意見もあったが、それと比べると小幅の減少で済んだ感触と山口教授。レジャー産業全般において、「Go Toトラベル」「Go To Eat]の支援施策は奏功したと分析した。ただ、レジャー産業全般について「不要不急」の対象ととらえられる見方がある事も減少要因の一つとした。
部門・分野別に見た前年との比較では、大きな減少として「スポーツ観戦」(-77.9%)、「音楽会」(-79.6%)、「演劇」(-71.2%)、そして観光・行楽部門(「海外旅行」「貸切バス」「旅行業」「遊園地・レジャーランド」「国内航空」)が顕著だった。一方、伸びたものでは、「二輪自動車」(+15.4)、「電子出版」(+28.0%)、「有料動画配信」(+65.4%)、「テレビゲーム・ゲームソフト」(+12.4%)、「オートレース」(+14.7%)、「ボートレース」(+23.9%)、「地方競馬」(+28.0%)など、「二輪」「ネット」のキーワードに対応した部門の躍進を評価した。
レジャー白書の調査は、2020年1〜12月にインターネット調査により、有効回答数は3246人(全国15〜79歳男女)。
■タイトル/レジャー白書2021
■著作者/公益財団法人 日本生産性本部 編
■発行年月/2021年10月4日(予定)