警察庁 ぱちんこ営業に係る賞品の取りそろえの充実の更なる推進について(通知)

警察庁は10月17日、ホール5団体(全日遊連・日遊協・同友会・余暇進・PCSA)に対し、「ぱちんこ営業に係る賞品の取りそろえの充実の更なる推進」に関して通知を行なった。本通知では、警察庁が全国のぱちんこ営業所における賞品の取りそろえ状況について調査した結果が示され、『極めて偏った賞品しか取りそろえていないと思われる営業所がいまだに認められることは、由々しき事態にあるものと考える』という厳しい指摘も記載されている。

■ぱちんこ営業に係る賞品の取りそろえの充実の更なる推進について(通知)

ぱちんこ営業に係る賞品の取りそろえの充実については、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。以下「風営適正化法」という。)第19条及び風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(昭和60年国家公安委員会規則第1号)第35条第2項第2号により、「客が一般に日常生活の用に供すると考えられる物品のうちから、できる限り多くの種類のものを取りそろえておくこと」が求められているところ、ホール関係5団体(全日本遊技事業協同組合連合会、社団法人日本遊技関連事業協会、一般社団法人日本遊技産業経営者同友会、一般社団法人余暇環境整備推進協議会及び一般社団法人パチンコ・チェーンストア協会をいう。)は、同義務の確実な履行を確保するための具体的な基準及び方法として、平成18年12月に「ぱちんこ営業に係る賞品の取りそろえの充実に関する決議」(以下「決議」という。)を策定し、賞品の取りそろえの充実に取り組んでいるところである。

しかしながら、本年5月時点の全国のぱちんこ営業所における賞品の取りそろえ状況について調査した結果、いまだ履行されているとは言えない状況が認められる。特に、決議において、「営業所に陳列されている賞品の種類数について200種類に満たない状態、品目について4品目に満たない状態は賞品の取りそろえの義務に明らかに違反している」とされる200種類未満及び4品目未満の営業所については、平成19年の調査時と比較すると、200種類未満の営業所では2.3ポイント、4品目未満の営業所では0.3ポイントそれぞれ倍増しており、極めて偏った賞品しか取りそろえていないと思われる営業所がいまだに認められることは、由々しき事態にあるものと考える。

現在、ぱちんこ業界は、遊技機の射幸性を抑制し、手軽に安心して遊技ができる健全な娯楽にしていくための取組を推進していると承知している。こうした中で、賞品の取りそろえ義務の履行は、風営適正化法の目的を達成するために遵守しなければならないものであり、業界を挙げた健全化への取組の方向性を国民に理解してもらうためにも重要であると考えられる。

そこで、ぱちんこ営業者にあっては、客の多様な要望に応えられるよう、賞品となる物品の更なる取りそろえの充実に努めるようにされたい。また、ぱちんこ業界にあっては、平成18年に策定した「決議」について、再度、業界内における周知を徹底し、賞品の取りそろえの一層の充実を図るようにされたい。