(株)ユニバーサルエンターテインメント(本社/東京都江東区)取締役会長の岡田和生氏が名誉館長を務める「岡田美術館」は、4月4日から「再発見 歌麿『深川の雪』」と題し特別展示を予定している。66年ぶりに発見された喜多川歌麿の代表作の一つで、幻の大作が見つかったと、NHKニュースでも取り上げられた。
「深川の雪」は「品川の月」(米・フリーア美術館蔵)、「吉原の花」(米・ワズワース・アセーニアム美術館蔵)とともに、「雪月花」三部作として歌麿肉筆画の傑作と評されている。一般公開されたのは、66年前(昭和23年・1948)の第2回浮世絵名作展覧会(銀座松坂屋)が最後だった。2012年2月の発見当時、表装部分に痛みが見られたため、長期の修復を経て、その間、専門家の鑑定により、本物であることがこのほど確認されたもの。見つかった「深川の雪」は、縦2メートル、横3.5メートルほどの大きさで、浮世絵史上最大級の掛け軸。
これまで、「深川の雪」の存在を伝えていたのは、古いモノクロ写真のみだったが、今回、色鮮やかに蘇り、広く一般に公開されることで、歌麿の晩年期の再評価をはじめ、歌麿研究に大いに貢献することが期待されている。公開期間は6月30日まで。併せて、岡田美術館所蔵の歌麿肉筆画「芸妓図」「三美人図」、葛飾北斎、上村松園など、近世から現代までの美人画の変遷の一端を展観する。入館料一般・大学生2800円、高校生まで1800円。
喜多川歌麿・「深川の雪」・江戸時代
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