広島県を中心にパチンコホールやゲームセンターを運営するプローバグループ(本社/広島市安佐南区)は12月16日、本社にて同社社員を対象とした「ユニバーサルマナー検定試験」を開催した。同検定は一般社団法人 日本ユニバーサルマナー協会が主催する障がい者や高齢者への接し方を学ぶ事を目的とした研修型の検定。2013年にスタートして以降、年々受験者は増えており、現在、サービス業を営む人達を中心に約2万人の資格者がいるほど、人気の高い検定だ。
同グループではパチンコホール、ゲームセンター共に来店者に高齢者が多い事を鑑みて、およそ2年前より検定の取得を推進。接客のレベルをさらに高め、老若男女問わず誰もが楽しめるアミューズメント施設を実現する事で、地域からいつまでも愛され続ける企業を目指している。検定で学んだスキルやノウハウは日頃の業務に活かされており、現在では障がい者や高齢者に対する的確なサービスが大勢の来店者から好評を博している。そうした成果もあって、役職者からアルバイトスタッフまで、受験を希望する従業員は年々増加。これまでは各自で県内にて開催される試験を受けに行くというスタイルで行ってきたが、今年はより多くの人が受験できるように、同社従業員のみを対象とした検定試験を、本社にて開催する運びとなった。
当日は3級と2級の検定試験を実施。3級受験者5名、2級受験者15名、両級受験者5名の計25名の従業員が受験した。3級は高齢者、障がい者への向き合い方や声かけの方法など、ユニバーサルマナーの基本的な知識を取得した人に与えられる資格で、日本ユニバーサルマナー協会による講義を受講する事で合格となる。講義は障がいのある当事者講師により行われ、今回の試験では視覚障がいを持つ原口淳氏が担当。75分の講義と、より理解を深める為のグループワークを45分間行った後、全受講者に合格の証となる認定証が贈られた。
一方、3級取得者のみが受験可能となる2級は、高齢者をはじめ、視覚障がい者や聴覚障がい者など多用な人の特長や心理状況を理解し、より実践的なコミュニケーションやサポートが行える人に与えられる資格。試験では原口淳氏が70分間の講義を行った後、150分の実技研修を行った。アイマスクやヘッドホン、車いすなどを利用して、視覚障がい者や聴覚障がい者、高齢者がどの様な危険を抱えているかを体験すると共に、それぞれの人に対するサポート方法を学んだ。また、2級では実技研修だけでなく、30分の筆記試験も行われ、100点中70点以上で合格。合否はおよそ1ヵ月後に郵送にて知らされる。
今回、2級を受験したパチンコホール「ニューヒカリ廿日市店」の店長は、「当店はおよそ30年続く老舗店で、お客様の8割以上が65歳以上の常連客です。高齢者が多いため、車いすや杖をついて訪れるお客様も多く、検定を受けようと思ったのはそうした方々への正しいサポート方法を学びたかったからです。これまでもお客様に対して様々なサポートは行ってきましたが、検定を通して間違っていた部分や改善すべきポイントが分かりました。店舗に帰ってスタッフに指導し、これまで以上のホスピタリティをお客様に提供していきたいと思います」とコメントした。