(株)ユニバーサルエンターテインメント(本社/東京都江東区)が特別協賛する女流名人戦、第47期「岡田美術館杯女流名人戦」五番勝負の第1局は1月17日、 岡田美術館(神奈川県箱根町)において開催。第1局は里見香奈女流名人が加藤桃子女流三段を90手で破り先勝した。女流名人戦は、女流棋士の誕生とともにスタートした最も古い歴史と伝統のあるタイトル戦。そして冠名を「岡田美術館杯」とした5回目の女流名人戦となった。里見女流名人は、この五番勝負を制すると、12期連続での女流名人在位となり、女流棋戦歴代単独最多に向けて好発進となった。
コロナ感染防止対策のとられた中、限られた関係者のみの対局は岡田美術館・日本庭園内にある開化亭の対局室において、午前9時半に始まった。小林忠館長(岡田美術館)の振り駒は「と金」(裏返しの歩)3枚で加藤女流三段の先手で始まった。後手の里見女流名人は、ゴキゲン中飛車で積極的に動き、先手の加藤女流三段は銀を繰り出し、盤面中央での覇権争いという序盤となった。昼食休憩を挟み、初志貫徹の里見女流名人の積極的な指し回しとなり、そのため攻守の流れは、里見女流名人に形勢が傾いていったようだった。
午後からは、日本将棋連盟公式チャンネルより YouTube でライブ配信による大盤解説会(解説者/屋敷伸之九段、聞き手/谷口由紀女流三段、鈴木環奈女流三段)が開かれた。日本将棋連盟の佐藤康光会長も出演して、将棋振興に感謝を述べた。また、岡田美術館に関するクイズも出されるなど、視聴者プレゼントが行われた。
終局直後の午後3時半過ぎ、大盤解説に登場した両対局者は、「女流名人戦の舞台では初めての対局、自分の力を出し切れるよう、第2局以降も頑張っていきたい」(加藤女流三段)。「将棋に興味を持って下さる方が沢山いるのは嬉しい事。今後もその様な状況が続くように、自分ができる事を精一杯していけたらと思います。応援よろしくお願いします」(里見女流名人)、とファンにあいさつしていた。第2局は1月24日、島根県出雲市で開催される。