(株)エンタテインメントビジネス総合研究所(本社/東京都台東区)は3月18日、オンラインによるEBI3月セミナーを開催。第1部「どうやって付き合っていく!?パチンコ業界でのDX」を藤田宏社長、第2部「完全新規則機時代に向けた遊技機の戦略的運用法」を荒川陽平主任研究員が、それぞれ担当した。
第一部で藤田社長は、パチンコ業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)活用していく可能性について論じた。まずは、デジタイゼーション→デジタライゼーション→DXと移行・変革され、社会(ビジネス)は大きな構造変化が進められてきた。そうした消費者行動には、「シェアリング」(モノの所有から利用へ)、「サブスク(サブスクリプション)」(一定期間の定額制サービス)といったものが普及してきている。
そうした中において、パチンコ業界は、未だにアナログ業務が多く、情報も活用できていないのが実情。まずは、ペーパーレス化、テレワーク(社内・取引先・業界(行政含む))について取り組む。続いて、作業の自動化(肉体労働のロボット化、パソコン作業のロボット化、判断業務の自動化)につなげる。DXとしては、キャッシュレス化、無人店orハイグレード接客店、ダウンロード型遊技機などが想起されると提言した。
多くの産業が、時間とお小遣いの取り合いをしており、熾烈化している。しかし、時間と場所の制約のあるパチンコの場合のDXは、サードプレイスの実現にあるとした。自宅(ファーストプレイス)でも職場・学校(セカンドプレイス)でもない、自分にとって心地の良い時間を過ごせる第三の居場所づくりがその先にあるとした。
第2部において荒川主任研究員は、遊技機の戦略的運用法について説明した。11月末に迫った旧規則機撤去期限に向けて、しばしの猶予期間にどう効率的な準備・計画を進めていけばよいか。中長期の視点に立ち、機種構成・機種配置・機種選定の考え方、手法について見ていった。
その基本的な考えとして、①遊技機投資効果の最大化(守りの営業)②運用玉粗利の適正化(競争力の低下)という想定で「機種構成→機種配置→機種選定」の思考プロセスを見ていった。しかし「機種選定→機種構成→機種配置」という新台ありきの戦略に陥っていないかと問いかけた。今一度、自店を取り巻く商圏データと競合状況の把握に基づいた戦略に基づき、商圏内客数データと自店におけるカテゴリー毎の客数(稼働率)、支持率などの傾向から最適な機種構成がみえてくるとした。点ではなく、線で考える機種配置。計画的撤去に向けて、逆算しながら機種配置の計画。配置場所のコンセプトを明確化・浸透化させることなど、要所と説いていた。
EBIは、4月においてもオンラインを中心として4月9日新人研修、4月22日4月セミナーを予定しており、EBI研修の活用を呼びかけている。