RSN 3月相談数284件

ぱちんこ依存問題相談機関のNPO法人「リカバリーサポート・ネットワーク」(RSN)は、機関誌さくら通信4月24日(第72)号で3月の相談数は284件と発表した。これにより24年度は2562件(確定)、2006年4月からの相談累計は9202件となった。

今回、本人からの相談は183件(79%)、家族・友人47件(20%)。本人性別内訳では、男性134、女性49。本人相談経路(183件中)では、ホール内ポスター110件、インターネット20件、雑誌18件、その他18件、不明・拒否15件、新聞1件、他の相談機関1件。

特集の「相談電話の向こうから」では、「パチンコをやめさせたい相談者、摂食障がいを抱える対象者」の相談例。相談者は40代母親Aさん。進学で一人暮らしの娘(20代)が、精神的に不安定となり、退学し同居。実家の経営する仕事を手伝いながら、資格取得のため通信制の学校に入学。依然「摂食障がい」(過食・おう吐など)は続き、給料を渡すと、数日のうちにパチンコ等で使い切る。お金がなくなると家の金に手をつけてパチンコへ。連れ戻したり、分割して給料を渡したり、しかし、暴言や反抗的な態度が続いており、「どうすればパチンコがやめさせられるか、知りたい」という相談。

相談員は、母親Aさんと問題点を整理。娘の摂食障がい、医療機関の利用を中断中、金銭の浪費、家のお金の使い込み、Aさんと本人(娘)との関係悪化など。まずは、娘がパチンコ依存症ではないかというAさん(周囲)の強い思い込みが問題をこじれさせていることの改善を提案。RSNの安高理事はこの相談内容について「パチンコさえやめさせれば、今起こっている問題が解決できる」という偏った対応は危険と警鐘。目立ちやすいパチンコ→お金の問題にマスクされて、もともとの問題に対する対策が後回しになることにもなるという。西村代表も、現代病の色彩がつよい摂食障がいと現代娯楽のパチンコが結びついて、問題を複雑にしているケースは少なくないという。

なお、英語版の2011年度データ報告書が完成し、電子書籍として無料配布を開始。2012年度版電話相談事業報告書は、5月上旬を予定している。お問い合せ等ならびに活動協力(寄付等)については、RSNまで。