一般社団法人 日本遊技関連事業協会(庄司孝輝会長)は7月17日、総会後初となる定例理事会後の記者会見を開催。席上、日遊協の基本的スタンスが読み上げられ、風営法のもとでの大衆娯楽であるパチンコ営業の立ち位置を再度確認したことを発表した。
5月16日、超党派の議員で構成するダンス文化推進議員連盟により風営法の改正案がまとめられたが、通常国会における風営法改正法案提出は見送られた。法案の策定作業は警察庁が「クラブやダンス教室などの営業を規制する風営法を見直すための有識者会議」(7月15日初会合)等を実施し、秋の臨時国会までに法案をまとめる方向であり、閣法によって提出される見通しとなっている。平行して、自民党の「時代に適した風営法を求める議員連盟」(保岡興治会長)は2月から風営法改正等の検討を開始して、税収財源の一つとして、パチンコやパチスロの換金時に徴税する「パチンコ税」の創設が新聞報道等で浮上している状況にある。こうしたことを受け、日遊協としての立ち位置を再度確認する理事会となった。
記者会見では、篠原専務理事が「基本的スタンス」(以下)について読み上げた。
『基本的スタンス』我々は風営法のもとに大衆娯楽として発展してきたものであり、引き続き風営法の精神のもとでこの産業を成長発展させていくことが日遊協の使命であると考えている。その前提をもとに、今後の業界のために必要と思われる規制緩和すべき事項について、志を同じくする団体とも協議をすすめながら、検討を深め、合意が得られた段階で関係方面に働きかけていきたい。なお、現在議論として出ている「換金合法化」については、その内容が正式に明示されていないので、具体的に論評することは差し控えるが、少なくとも現時点では、我々が前提としてきた大衆娯楽の領域を踏み外しているのでは、との疑念を拭えない。
25年余の日遊協活動を通し、業界の健全化、近代化、適正化の議論と検討、提言を重ねてきた経緯があるが、庄司会長は「確かに、過去に有識者懇談会等の提言を行ったり、各種の政策提言を行ったが、今の状況において、日遊協としての役割を、理事・会員相互で再確認することが大切」として、今回の基本的スタンスの発信となったことを伝えた。風営法改正機運の中、篠原専務は行政からの要請があった場合「規制緩和の要望は出していく作業を進めるが、(志を同じくする)他団体とともに進めていきたい。ホール5団体合意がベストだが、5団体合意にはこだわらない」とする基本姿勢を示した。
昨年来進めている遊技産業活性化プロジェクトについては、今後「パチンコ&パチスロフェスタ」の継続開催を業界挙げて実施していく方向性を示した。この点について庄司会長は「パチンコフェスタについては、今後3年間継続していきたい。業界各団体が集まる形で新年度の活性化委員会は8月上旬にも初会合で方向性を確認する予定。日遊協の新経営者会議(担当・韓裕副会長/リーダー西村拓郎支部長・東京関東)の議論意見含めて加味していきたい」と、意欲をのぞかせた。