JALEI 「ジャンケッター」を切り口に日本型IRの可能性を検証

日本におけるカジノ産業の健全な発展に寄与することを目指す「一般社団法人ロケーション・エンタテインメント学会」(JALEI学会)は3月12日、金沢工大虎ノ門キャンパス(東京都港区)において「カジノ産業に於けるジャンケッターの役割と法則」と題しセミナーを開催した。

冒頭主催者を代表して、佐藤仁会長((株)東急レクリエーション取締役会長)は「カジノを核とする複合型リゾート(IR)施設の開発が、観光産業のみならず経済成長に大きな経済効果をもたらしている。しかし、カジノの産業構造については情報が混在しており、法制化はもとよりIRの設計・施工・営業ノウハウについて官民学が共同で研究検討することが不可欠。国内での合法化を控え、さらに活動を活性化するため、 昨年正式に設立した」と開催意義を述べた。そして「ジャンケッターの役割と法制」という今回のテーマを通して、あるべき日本のIRに知見、意見交換を深めたいとした。

北谷賢司副会長(金沢工業大学コンテンツ&テクノロジー融合研究所・所長、教授)は、まず巨額の賭け金を動かすVIPやハイローラー客と密接な関係を持つ「ジャンケッター」について、その存在、役務、事業構造を、カジノ先進国の事例から解明した。続いて「日本におけるジャンケット導入と法的問題」について大橋卓生弁護士(虎ノ門協同法律事務所 弁護士、金沢工業大学虎ノ門大学院・准教授)が解説。法的な見地から、日本国内での合法的導入に際しどのような法の改訂が必要となるのかを検証した。

その後、パネラーとして島津貴昭氏(札幌IR研究会・理事、株式会社札幌ドーム・代表取締役専務、金沢工業 大学コンテンツ&テクノロジー融合研究所・客員教授)、多田宏行氏(一般社団法人ロケーション・エンタテインメント学会・理事、東京大学大学院・客員教授、東京藝術大学・講師、前・三井不動産S&E総合研究所所長)を迎え、地方のIR推進における現状の課題、VIP&ハイローラー客の呼び込みの可能性等について議論をおこなった。