全日遊連 「新基準に該当しない遊技機の取扱いについて」7月22日までに方向性まとめる

全日本遊技事業協同組合連合会(阿部恭久理事長)は5月22日、第一ホテル東京において総会前の全国理事会を開催した。6月23日に開催する総会上程議案の決議を目的とした理事会だったが、「新基準に該当しない遊技機の取扱いについて」の協議に努めたことから、記者会見は午後3時30分予定から約1時間後の午後4時20分過ぎからはじまった。記者会見には、阿部理事長、大野副理事長、伊坂副理事長、片山専務が出席した。

推進機構の定例理事会(5月13日開催)の件、遊技産業活性化委員会(4月24日)の開催結果、中古機流通協議会(4月27日)の開催結果など、密接に関連した報告事項を踏まえ、「新基準に該当しない遊技機の取扱い」に問題共有を行った。

パチンコ遊技機では日工組メーカーの販売期限対応(1/400→1/320への確率対応)、パチスロ遊技機では型式試験変更による日電協&日工組メーカーの販売期限対応(AT&ART対象)、今般6月からの推進機構の「遊技機性能調査の実施について」など、業界挙げたのめり込み防止対策について、ホール営業の真価が問われる段階となった。

阿部理事長は「7月理事会までに方向性を決めたいということで、本理事会でも時間を費やした。それでも時間切れの雰囲気だったので、臨時理事会召集も視野に意を尽くしたい。自主撤去という判断ができれば理想だろうが、ホール財産(遊技機)を軽視した対応はいかがなものかという意見もある」と理事会での雰囲気も踏まえつつ、遊べる遊技環境づくりの歩みを続けていくために全力を挙げていくことを強調した。また「私が全日遊連の理事長という大役をまかせられた時から、ファンの数を増やすということが第1。現在、云々あるだろうが、今ファンが増えて来ているのかというとファンからはNOを突きつけられている現状だと思っている。ただしホールの自主規制として決めて、すべてのホールが守れるのかという心配する意見。かといって厳正化して非組合員(アウトサイダー)化さえ懸念される。ただ、多くの国民、ファンは組合員とかアウトサイダーとか識別できない、パチンコ店としか見えない。業界としての対応をしていきたい」と阿部理事長は総意形成に努めていく考えだ。

6月からの推進機構の「遊技機性能調査の実施について」は、今年1月の行政講話の指摘を受けたことから表面化し、第三者機関である推進機構が対応を発表したもの。「くぎの問題は、単純に悪質な営業者だけの問題で済ませることが出来ないほど、業界内の広範囲で甘く考えられているのではないかと危惧しております。全日遊連におかれましては、このくぎの問題が風営適正化法に基づく射幸性の適正管理を堂々と侵害している厳しい現状を真摯に受けとめた上で、くぎの問題を業界全体で改善すべき課題と捉え、その認識を業界の常識とするよう尽力し、不正改造事案の絶無を目指していただきたい」という点を重視して、推進機構理事の一人である大野副理事長は「機構検査員が半年間は猶予するしないということではなく、直ちに遵守していけるよう待ったなしと受け止めている」と危機感を示した。

活性化委員長でもある伊坂副理事長は「阿部理事長を中心として全日遊連執行部は、ファンを増やすために全力を挙げている。その意向のもと、活性化委員会では定量制含めワーキンググループで目下検討している状況」として、規制策と活性化策織り交ぜたホール営業が最善とした。