日本遊技機工業組合(金沢全求理事長)は12月25日、東京・中央区の日工組事務局において、健全化に向けての施策についての緊急記者会見を実施。ここ数日の「数十万台の遊技機・自主回収」等マスコミ報道を受けている中において、業界としての健全化施策を発信するためのもの。遊技機メーカー団体である日工組、遊技機取扱の販売商社組織の全商協、そして、ホール4団体(日遊協、同友会、余暇進、PCSA)が出席し、経緯説明。今後の遊技機について、そして「ぱちんこ遊技機の撤去回収等に関する声明」を発表した。
経緯説明において、金沢理事長は「検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」の疑いについて指摘を受けた中「当組合員にも責任の一端があることが否定できず、今回の事案を重く受け止め、市場の適正化、健全化に向けて対処して参ります」と述べ「組合として昨年来取り組んできたのめり込み問題の解決策の一つ、過度な射幸性の抑制策を一方で進めている中での事であり、また大衆娯楽として親しまれている中、多くのぱちんこファンを裏切るような結果となってしまった事に、製造業者の一人として、また製造業者団体の長として、深く反省し、関係業者団体の協力を得ながら、多くのファンの皆さまのみならず、安心して遊べる遊技環境を整備し、多くの国民の信頼を得る事ができるよう、検定を受けた遊技機と異なる遊技機、高い射幸性を有する遊技機を一掃し、すみやかに健全化に向けて対応して参りますのでご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます」と可及的速やかな健全化の実現を誓った。
続いて、遊技くぎの問題に係るぱちんこ遊技機の回収、撤去に伴い、新たに設置する事となるぱちんこ遊技機に関して「今後の遊技機について」を筒井公久副理事長が発表した。これを受けて、庄司孝輝会長(日遊協)が「ぱちんこ遊技機の撤去回収等に関する声明」として6項目を発表した。
なお、ホール5団体の中、全日遊連が欠席した件について質問があったが、業界6団体として共通認識にあり、今回の緊急記者会見のため、全日遊連代表者は急用のため出席できなかったと説明。全日遊連として「ぱちんこ遊技機の撤去回収等に関する声明」は、平成28年1月22日理事会での決議上程の予定と補足説明があった。
【「今後の遊技機」について】
日本遊技機工業組合(以下、「日工組」という。)は「遊技くぎ」の問題に係るぱちんこ遊技機の回収、撤去に伴い、新たに設置することとなるぱちんこ遊技機に関して、下記のとおりといたします。
記
日工組といたしましては、「遊技くぎ」に関連する事案に該当するおそれのある遊技機を貴団体の協力を得て、営業所から速やかに回収し、適正な遊技機に入れ替えていくことと致しました。
もちろん適正な遊技機は、検定を受けた型式と同一性能の遊技機を出荷していきます。
適正な遊技機においては、射幸性を抑え、手軽に安く安心して楽しめる多種多様な遊技機を開発、販売してまいりますが、過去の遊技機と比較して、性能が大きく異なる場合もあることを配慮し、遊技仕様等については、ホール団体様の意見、要望を聴取させていただきます。
当該遊技機を平成28年1月から随時販売していき、遅くとも4月からは、日工組全組合員が揃って販売することとし、今後、遊技機の型式名や時期も明確にしていきます。
入れ替え対象となる型式機種については、改めて段階的に通知させていただきます。
今後の遊技機開発にあたり、「遊技くぎ」の変更による性能の違いが起こらない遊技機を目指し、「遊技くぎ」においては、変更がされない、または変更があれば変更を確認できるような対策を検討してまいります。
また、併せて「遊技くぎ」の部品交換の際には、「遊技くぎ」に関する点検確認をさせていただきます。
今後の遊技機においては、射幸性における依存問題等の解決と不正防止に努め、遊技客の増加を目標とし、遊技客とホールが安全、安心して使用できる遊技機を提供してまいります。
日本遊技機工業組合
理事長 金沢全求