遊技機運送事業協同組合連合会(栗原真会長)は2月22日より、全国4会場においてセキュリティ研修会を順次開催する。その初日となった大阪会場(難波御堂筋ホール)では、同連合会ならびに近畿遊技機輸送事業協同組合(後藤達人理事長・遊運連副会長)所属の組合員や協力事業者など21社・80名以上が集まり、遊技機運送に関わるセキュリティー意識の向上に努めた。
冒頭、連合会を代表して栗原会長が挨拶。風営法の許認可営業に関わる遊技機の運送は一般の貨物とは認識が異なるという認識を改めて持って欲しいと呼びかけ、セキュリティの担保が健全な業界の発展に寄与すると述べた。そして、「昨年4月1日よりスタートした新流通制度によって各地区の指定運送業者がより重責をもって日々の業務に取り組んでおられると思います。本日の研修会を通じて業務に関わる認識を再確認し、得た情報を社の共通認識として広めて頂きたい。近輸協は19年前に日本で始めて遊技機運送事業に特化して設立された歴史ある組合です。今後も全国の模範となれるよう期待しております」と語った。
研修会には来賓として関西遊商や回胴遊商近畿支部の役員らが列席。講師には日工組より田中芳郎事務局次長が訪れ、業界の現状や輸送におけるセキュリティについてなど、様々なトピックについて解説した。田中次長は昨年末IR推進法が成立した事によって、依存症対策が喫緊の課題として上る中、パチンコ業界にも厳しい目が向けられていると説明。現在、RSNをはじめ具体的な対応を業界団体として取りまとめている所であり、積極的に取り組んで行きたいとした。
流通制度の概要については日工組と日電協が作成した遊技機流通健全化マニュアルをテキストに、出荷から納品までのフローを再確認。保証書の重要性や納品時にホール責任者がサインする「遊技機受渡書」(日工組)「遊技機運送管理票」(日電協)の書式について説明を行った。また、昨年7月、加盟全社の保管倉庫において、防犯カメラの設置場所や録画に関してや、新台・中古機の保管場所の区別が行なわれているか、などといった実態調査が行われ、全社が一定以上のセキュリティー性を担保できたとその協力に謝辞を述べ、社内のセキュリティー意識向上向け、今後も徹底して欲しいと呼びかけた。
今年1月1日より、日工組と日電協は委託業者が違反を犯した場合の処分内容の申し合わせを行なっている。田中次長はその経緯について、従来まで違反行為があった場合、個々のメーカーが処分等の対応を行なってたが、それでは内容に統一性が無く、その温度差がセキュリティ担保における懸念材料となっていたとし、今回、両団体の協議によって共通した量定基準を定めるに至ったと説明。講義では違反行為によって処分レベル(1〜5)が設けられ、レベル1では指示処分、2で30日間の委託停止、最大レベルである5の場合、指定業者一覧表から抹消されるなどの処分内容が設けられた。
続いて、後藤副会長が1月14日に行なった臨時総会で決議されたセキュリティ要領の改訂について説明。主な改訂ポイントは保管倉庫の基準に関して、従来、貨物室扉は開閉された痕跡が判る機能を有しており、かつシリアル番号の記載された防犯封印で施錠するといある項目を、「貨物室は確実に施錠し、開閉された痕跡が判る機能を有した電子機器、若しくはシリアル番号の記載された防犯封印等で管理記録する」に変更したと説明した。また、新台はメーカーが厳重な梱包を、中古機は販社が封印シールで型式の保全性を保つなど、万全に管理した上で流通している為、輸送事業者は防犯カメラや入退室記録を徹底する事で、更なる不正抑止に繋がると述べ、「届けた時の風袋確認は大切です。メーカー・販社が管理しているものを我々も“見える化”して間違いの無いようにしていかなければ」と呼びかけた。