財団大遊協 第6回意見交換会開催

公益財団法人大遊協国際交流・援助・研究協会(高島洋理事長・以下/財団大遊協)は7月25日、大阪市中央区のホテルプリムローズ大阪において、所属する奨学生及び在阪総領事館の領事等を招聘して、意見交換会を開催した。平成23年のスタート以降、意見交換会は毎年開催され、今年で6回目を迎える。今年も昨年に引き続き、「よりよい留学生活をおくるために」とのテーマで参加者の間で様々な意見が飛び交った。

参加者は中国、韓国、フィリピンの領事5名、財団大遊協からは高島理事長や村上昭徳専務理事、上部団体である大遊協からは平川容志理事長や田中孝明副理事長、段正峰副理事長らが列席した。奨学生はOBを含めて15名、この他、OFIXの関係者や選考委員等、計36名が集まった。冒頭、挨拶に立った高島理事長は、財団大遊協は国際都市大阪の街づくりに寄与すべく、平成3年に設立。平成23年には公益財団法人としての認定を受けて現在に至ると紹介。「事業はただちに効果の現れるものではないが、援助している奨学生たちが将来、国際理解を一層深め、日本と母国の架け橋になってくれると信じています」と述べ、意見交換会で出た話を今後の事業に活かして行きたいと語った。

続く来賓祝辞では大阪府府民文化部の播本裕典国際交流長が挨拶。大阪府内の留学生は現在1万8千人で、大阪府として国際都市化を進めるべく、今以上の留学生の受け入れを行いたいと述べた。その中において奨学金事業を始めとする財団大遊協の活動は大変意義深く、また、大阪府警と協力して留学生の安心安全な生活をサポートするなどの事業に敬意を表した。

今年は意見交換会に先立ち、OB含む奨学生たちへのインタビューが行なわれた。財団大遊協の事業で思い出に残っている行事は?との質問には、昨年、大遊協青年部が主催する未来っ子カーニバルにボランティア参加した事で、子ども達と遊びながら母国後を通じて心を開くことができたこと等を報告。奨学金を受ける前後で生活の変化はあったか?との質問には、仕送りが無かった為、アルバイトに追われる生活で学業に専念しきれなかったが、奨学金を受ける事ができて勉学に身を入れる事ができたと答えていた。

意見交換は丸テーブルに関係者と奨学生たちが着き、それぞれ来日した時に困った事や日常の困り事、そしてそれをに解決してきたかなどを話し合った。平川理事長のテーブルには先のインタビューで未来っ子カーニバルにボランティア参加したという学生がおり、平川理事長は30年前に自身と仲間達で開始した行事である事に触れ、財団大遊協の奨学生がこのような形で関わり、意義を感じてくれた事を嬉しく思うと述べていた。意見交換では最後に各テーブルから一人、話し合いの内容が発表された。留学生が来日して最初に起こる問題は言葉の壁だ。日本語が拙いという理由でアルバイトが採用され辛かったり、日本人の中に溶け込めるかという不安が募ったという意見が多かった。また、居住地を見つけにくく(契約を断られたり)、携帯電話の契約も難しい場合があるなど、制度上の問題を指摘する意見もあった。財団大遊協や領事館関係者は困り事があったらいつでも相談して欲しいと述べていた。