一般財団法人 保安通信協会(有馬康之理事長・略称/保通協)は2月14日、東京国際フォーラムホールE棟(東京都千代田区)において、第9回保安電子通信技術セミナー・展示会を主催した。 警察庁、総務省消防庁、海上保安庁が後援。警察、消防、海上保安庁などの各機関の関係者をはじめ、関係各省庁、民間企業、大学を対象とし、講演、機器展示を通して、災害、事件、事故対策、犯罪捜査に役立つ映像、情報分析、デジタル・フォレンジック等に関する最新技術を一堂に集め、国民生活の安全、安心の更なる向上に資する事を目的として「事件、事故、災害時等における映像、ビッグデータ、ドローン等最新技術の活用」と「デジタル・フォレンジックにおける最新技術の活用」という2テーマを掲げた。
開会において有馬理事長は、各セミナー会場で主催者挨拶。「昨今の経済状況、社会の複雑化等、我が国の治安情勢を取り巻く国内外の環境は厳しさを増しています。そうした中、警察・消防・海上保安庁等の各機関が果たすべき役割はますます重要になってきている。産業界における電子情報通信技術の発展は目覚ましいものがあり、特に映像技術、ビッグデータ、ドローン、デジタル・フォレンジック等の各分野については、ますます進歩の度合いを早めている。こうした背景から、警察、消防、海上保安庁等の関係者をはじめ、関係各省庁、民間企業・大学等の関係者を幅広く対象として、講演、機器展示等を行い、映像、デジタル・フォレンジック等に関する最新の技術をご紹介している」と産・学・官関係者の協力に謝意を述べ、今後の業務に効果的に活かされるよう呼びかけた。テーマである「事件、事故、災害時等における映像、ビッグデータ、ドローン等最新技術の活用」と「デジタル・フォレンジックにおける最新技術の活用」は、保通協内に調査研究部会を設置しており、産官学が連携した熱心な協議検討が続けられている事を報告。また、今回初めてE棟展示フロアを展示会場として、約40社からなる最先端技術を一堂に集めたとした。保通協が力を入れているビッグデータ検索システムについても活用を呼びかけ、本セミナー・展示会の開催意義を述べた。
セミナーは、前田雅英教授(日本大学大学院法務研究科)、吉峯耕平氏(田辺総合法律事務所・第一東京弁護士会総合法律研究所IT法務部会部会長)、櫻井秀和氏(内閣官房内閣サイバーセキュリティーセンター)、大橋一夫課長(警察庁情報通信局情報技術解析課)、宮脇勉専門官(海上保安庁総務部情報通信課セキュリティ対策室)、北條孝佳弁護士(西村あさひ法律事務所)、大橋充直氏(デジタルフォレンジック研究会会員)など、特別講演4題、基調講演3題、セミナー1題、そして特別セミナー「SNS等ビッグデータ検索システムについて」(保通協調査研究部会)を行った。
展示会では「画像解析ソリューション」「映像伝送ソリューション」「デジタル・フォレンジック」「捜査支援ソリューション」「大規模イベント警備、災害対策ソリューション、セキュリティ等」「ドローン」の6分類で43の企業が出展。保通協は「SNS等ビッグデータ検索システム実証実験」コーナーを設置した。
約40社が6テーマを一堂に集めた展示会には500名余が来場
有馬理事長
前田教授は、仮想通貨事件や過去最低の自殺者数など事例をあげ、サイバーセキュリティの有り様について特別講演
ビッグデータ検索システムの特設展示