全日本遊技事業協同組合連合会(阿部恭久理事長)は11月14日、第一ホテル東京(都内港区)において11月定例全国理事会を開催した。来年1月31日に設置比率15%以下にするという自主規制は、一定期間延期を決定。また延期は、6号機への市場への供給状況を見ながら改めて検討するとした。
理事会での阿部理事長の挨拶は、「私たちの業界には、依存問題に関わらず、社会から大変厳しい視線が注がれています。震災等により電力が逼迫している時の営業、ホール店内へのATMの設置、ホールの広告宣伝等、例え法律的に問題のない事であったとしても、それが社会からどのように映るのか、国民から見てどのように感じるのかについて、私たちはよく考えて、行動していく必要があります。最近、企業においてのソーシャルライセンスという言葉が注目を集めています。日本語では『社会的営業免許』という意味になります。私たちは、法律により許可されて営業を行っておりますが、社会から理解され、地域に受け入られる営業者になっていかなくてはならないと思っております。今後も、皆様の特段のご理解を宜しくお願いいたします」と述べた。
その後、午後4時30分過ぎより記者会見を開催した。記者会見には、阿部理事長以下、執行部が出席した中、自主規制の一部変更についてのみ質疑は集中した。
【高射幸性回胴式遊技機の設置比率に関する自主規制の一部変更について】
延期判断に至った経緯を問われた阿部理事長は、「6号機の市場への供給が全く見込めていないのが大きい。そもそも今回の規則改正の趣旨は、(依存対策の一環として)5号機から新たに6号機というステージの転換です。それなのに6号機が出ない。入れ替えしたくてもできない状況です。その中でしっかりと自主規制を守って取り組んでいるホールは全国にあります。しかし、本来全国のホールが足並み揃えて6号機に入れ替えていくためには、新台市場とともに中古市場においても6号機が流通できるような環境にならなければ、意味がありません。中古市場に6号機が流通するには、新台が出て、少なくとも3〜4カ月かかるようです。来年1月末までの自主規制を遂行できるかどうか、物理的にできるかどうかの判断時期は11月にはしなければいけなかった。そこで今回議題としました。全日遊連は、全国のホールの集まりです。全てのホールが実行できなければなりません。行政に対しては、こうした判断をしなければならない事は報告しました。延期する事が目的ではない。物理的にできない中で、強引に実施し、全国のホールが経営を断念するような負担を強いるような状況は作りたくない」と苦渋の判断だったと理解を求めた。
組合加盟店舗の調査結果についても、組合店舗の声なき声が如実に表れているとして、執行部として危機感をもって対処していきたいとした。
<理事会上程議案>
【決議事項】
(1)2019年度第29回全国パチンコ・パチスロファン感謝デーにおける幹事商社の選定等について/そごう西武に選定。
(2)高射幸性回胴式遊技機の設置比率に関する自主規制の一部変更について/来年1月31日に設置比率15%以下にするという自主規制は、一定期間延期する。期日については、6号機への市場への供給状況を見ながら改めて検討する。
(3)金属探知器事業における紹介契約の締結について/金属探知機のメーカー・イービストレード株式会社(東京都千代田区)との契約。
【報告事項】
(1)パチンコ・パチスロ依存問題への対応について/11月5日開催の21世紀会での依存対策について報告
(2)日工組と全日遊連との定期連絡協議会の開催(11月13日)結果について
(3)日電協と全日遊連との定期連絡協議会の開催(11月13日)結果について
(4)遊技機流通制度連絡会の開催(10月22日)結果について
(5)中古機流通協議会の開催結果(11 月6日)について
(6)推進機構の定例理事会(11月5日)及び臨時社員総会について
(7)2018年度上半期・各都府県方面遊協による「立入検査」実施状況について
(8)災害被災地(9月6日北海道胆振東部地震)組合に対する見舞金の支出について
(9)ホール業界へのベンチマーク制度の導入について
(10)遊技機リサイクル推進委員会の開催(11月9日)結果について
(11)セキュリティー対策委員会の開催(11月9日)結果について
(12)ゴト対策に関する4団体会議の開催(11月2日)結果について
(13)パチンコ・パチスロ賀詞交歓会(1月29日)について
記者会見(左より片山専務、合田副理事長、千原副理事長、阿部理事長、大野副理事長、伊坂副理事長、松尾副理事長)
RSNの現状と業界が取り組むべき依存対策について大野真希RSN出向社員の講演を理事会で開催した
14日付け新聞1面広告として業界の社会貢献について掲載