保通協 第11回保安電子通信技術セミナー・展示会を開催

一般財団法人 保安通信協会(有馬康之理事長)は2月12日、東京国際フォーラムホールB棟(東京都千代田区)において、第11回保安電子通信技術セミナー・展示会を主催した。 今回は、「AI・ビッグデータ解析ソリューション」に関しての展示構成に力を入れていた。

同展示会は、警察庁、総務省消防庁、海上保安庁が後援。警察、消防、海上保安庁などの各機関の関係者をはじめ、関係各省庁、民間企業、大学を対象とし、講演、機器展示を通して、災害、事件、事故対策、犯罪捜査に役立つ映像、情報分析、デジタル・フォレンジック等に関する最新技術を一堂に集め、国民生活の安全、安心の更なる向上に資する事を目的として「事件、事故、災害時等における映像、ビッグデータ、ドローン等最新技術の活用」と「デジタル・フォレンジックにおける最新技術の活用」という2テーマを掲げた。

開会において有馬理事長は、各セミナー会場で主催者挨拶。「コロナウィルス肺炎、米イの対立、米中貿易摩擦など、様々な問題としてグローバルな動きが錯綜する中で、我が国を取り巻く内外の環境は、一層厳しさを増しています。そうした中、警察・消防・海上保安庁等の各機関が果たすべき役割はますます重要になってきている。産業界における電子情報通信技術の発展は目覚ましいものがあり、特に映像技術、ビッグデータ、AI、デジタル・フォレンジック等の各分野については、ますます進歩の度合いを早め高度化している。こうした背景から、警察、消防、海上保安庁等の各機関の関係者をはじめ、関係各省庁、民間企業・大学等の関係者を幅広く対象として、講演、機器展示等を行い、映像、デジタル・フォレンジック等に関する最新の技術をご紹介している。これらの事により、安全・安心な社会をより確かなものとして維持する事に、少しでも貢献できればと願っています。」と、産・学・官関係者の協力に謝意を述べ、今後の業務に効果的に活かされるよう呼びかけた。

また、テーマである「事件、事故、災害時等における映像、ビッグデータ、ドローン等最新技術の活用」と「デジタル・フォレンジックにおける最新技術の活用」は、保通協内に調査研究部会を設置しており、産官学が連携した熱心な協議検討が続けられている事を報告。さらに、今回初めてB棟展示フロアを展示会場として、44社からなる最先端技術を一堂に集めたとした。なお、例年、展示会終了後に開催してきた意見交換会は諸般の事情を考慮して見合わせとした。

特別講演では、鈴木信二氏(日本UAS産業振興協議会理事長・東京大学特任教授、名誉教授)、大橋充直氏(デジタルフォレンジック研究会会員)、吉峯耕平氏(田辺総合法律事務所・第一東京弁護士会総合法律研究所IT法務部会部会長)、前田雅英教授(東京都立大学法科大学院兼任)、北條孝佳弁護士(西村あさひ法律事務所)。基調講演は、岡本安志氏(警察庁情報通信局通信施設課長)、前田浩一郎氏(同生活安全局生活安全企画課地域警察指導室長)、小野寺健一氏(同警備局警備企画課サイバー攻撃対策室長)、平田豊氏(岡山県警刑事部理事官)、吉川徹志氏(内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター内閣参事官)、中牟田敏史氏(海上保安庁総務部情報通信課情報セキュリティ対策室専門官)、飯濱誠氏(警察用情報通信局情報技術解析課長)。その他、セミナー5題、出展者セミナー6題を行った。

展示会では「AI・ビッグデータ」「映像音声伝達」「地理・空間情報」「画像解析・顔認証」「デジタル・フォレンジック」「その他」の6分類で構成出展。保通協は、情報分析で安心な暮らしをサポートする「SNS情報検索システム」を展示した。

44社が6テーマを一堂に集めた展示会には500名余が来場

有馬理事長