広島県遊技業協同組合(延川章喜理事長)は6月12日、広島県との間で「災害時における支援協力に関する協定」を締結した。
協定は災害時に応急対策活動を円滑に実施するため、災害応急対策要員の活動拠点場所や、車両の一時集結場所、防災資機材や支援物資の一時保管場所などの確保に、必要が生じた場合、組合員店舗(230店舗)の駐車場や施設等を提供するというもの。広島県庁(広島市中区)において開かれた締結式では、組合からは延川理事長、安本政基副理事長、原田修治専務理事の3名、広島県からは湯崎英彦知事と危機管理課長が列席。湯崎知事と延川理事長が並ぶ形で着席し、それぞれ協定書への署名を行った。
広島県では2014年と2018年に集中豪雨に伴う大規模な土砂災害が発生している。特に2014年の「平成26年8月豪雨」では、広島市北部の安佐北区、安佐南区の住宅地などで発生した土砂災害によって77人が死亡(関連死含む)するなど甚大な被害を受けた。その際、パチンコ店の駐車場が自衛隊や警察、消防等の活動拠点として活用され、救助活動や復興支援活動の一助となった。その様な経緯があり、広島県遊協では災害発生時に被災地近くにあるホール個々の判断を待つのではなく、あらかじめ組合員の同意を得て協定を結ぶことで、応急対策活動の迅速な実施をサポートするというのが今回の目的だ。
協定書への署名を取り交わした後、挨拶に立った湯崎知事は、局地的な豪雨の多発や台風の大型化、さらには南海トラフ地震の発生の危惧など、県民の安全・安心を脅かすリスクが高まる中、今回の協定は災害応急復旧に携わる者にとって大変心強いものだと謝辞を述べた。そして、広島県では災害死ゼロを目指し、ハードソフトが一体となった防災・減災対策に重点的に取り組んでおり、今後も県民が安心して暮らすことのできる「災害に強い広島県」の実現に向け、今後益々の協力を要請した。
対して延川理事長は、自然災害が発生した場合には、できる限り協力を行っていくことが人として当然のことであるとし、協定を締結することで、改めて県内全体のホールにおいて、災害対策へ取り組んでいくことを組合員全員で共通認識をもてたとし、「我々ホール業界は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点におきましても、県知事からの休業要請を受け入れて協力してまいりました。今後とも、あらゆる面で日本一安全・安心な広島県の実現に向け協力をしてきいきたい」と語った。