一般社団法人MIRAIぱちんこ産業連盟(東野昌一代表理事・加藤英則代表理事)は2月16日、TKPガーデンプレミアム神保町において、第2回MIRAI経営勉強会を開催した。新型コロナウイスルの影響により、リアル参加は、MIRAI会員32名、オンライン参加125名の計157名が参加。合田康広副代表は、冒頭で、「緊急事態宣言下というコロナ禍に加え、2月13日に東日本大震災の余震があり、被災された方に対して、心からお見舞い申し上げます」と述べた。
第1部「法律ハンドブック最新活用術」と題し、本書を監修した三堀清弁護士(三堀法律事務所・所長)、法律問題研究部会から、荒田政雄リーダー、生島靖也部員(Web参加)、佐久間仁部員(Web参加)が業界を取り巻く環境変化の中で、ルールの在り方について見ていった。同研究会は、業界を取り巻く環境に伴いこのルールには大きく「法令関係」と「自主規制」があるとした。
ホール営業に影響を及ぼしているルールを同研究会が調べたところ、132区分3301のルールがあるとした。「法令・条例」1798、「行政通知等」105、「団体自主規制」406、「地域規制」992と分類。数多くあるルールによって業界・産業が成り立っていると示した。法律で定められたルール(法令)は、違反すれば罰則も伴う。一方で、「自主規制」は、業界が自主的に活動を制約し、たとえ違反しても法令に抵触しなければ罰則はない。しかし、会員資格停止等のペナルティの対象となる可能性がある。さらに一方では、自由競争を阻害するような規制ともなれば、独占禁止法に反する恐れもあるとした。荒田リーダーは、「ここ数年間の議論で思ったのは、制限されて何もできないといったネガティブなイメージがルール(自主規制)にはある。一方で、守られている、コントロールしていくというものもある」と認識を語った。
三堀弁護士は、「団体自主規制というものは、わかりにくい。法令・条例の内容をより忖度し制限を強化した自主規制というものもあろう。原則、罰則がない。内容によっては、著しく射幸心をそそる恐れのある観点では、相応の注意を払う能動性もある。私の感じた事は、自主規制には、玉石混交だと思います。例えば、旧態依然としたホールが生き残れるような規制。あるいは21世紀会決議による旧規則機の計画的撤去の規制では、経過措置1年延長という規則改正を受けた中での積極的な自主規制については評価されよう。業界のためになる規制、個々経営者・企業にとって発展の契機となれるものもある」と評した。
新たなルールとして「緊急事態宣言」についてもみていった。2020年緊急事態宣言に伴いパチンコホールは全国規模で休業要請が出された。2月13日施行した特措法の改正では、行政罰(過料)が設けられた。この改正においては、まん延防止等重点措置を理解し、「パチンコ・パチスロ店営業における新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を遵守して対応する事が基本と示した。
第2部、「キャッシュレス社会への移行とパチンコホール業への影響」と題し、一般社団法人キャッシュレス推進協議会の福田好郎常務理事(同事務局長)を迎えて、パチンコ業界のキャッシュレスが進んでいない原因、何をクリアする必要があるのか、キャッシュレス化のメリットについて解説した。キャッシュレス化する事で、衰退してしまう業の対応はどうすべきかの質問があった。「例えば製紙会社であれば、電子決済でレシートがなくなる(紙が売れない)。金銭をカウントするようなメーカーもありましょう。冷たい言い方かもしれませんが、自社の強みを活かしていただき、新しい事を考え開拓していただきたいと思います。社会の転換点として新しい業態への変更というのは必要だと思います」と答えていた。