日遊協 パチスロプレイヤー調査2020発表

一般社団法人 日本遊技関連事業協会(西村拓郎会長)は3月18日、日電協、日工組回胴部会の協力でまとめている「パチスロプレイヤー調査2020」をEBIの藤田宏社長が発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きいといえるが、パチスロ参加人口は715.7万人となり、前年から約94万人減と大幅に減少した。参加人口を回復するため、現状の6号機の不満要素の改善、衛生面で期待されるメダルレスパチスロなど安心して遊技できる環境の提供が必要と、考察した。

パチスロ参加人口の維持・拡大に繋げるための施策を導き出す為の基礎資料となる本調査は、日遊協広報調査委員会が毎年行っている「パチンコ・パチスロファンアンケート調査」の付属調査として行われ、EBI((株)エンタテインメントビジネス総合研究所)と(株)シーズが調査分析に協力した。

今回は5号機から6号機への移行が進む中で、パチスロの「参加人口」「参加率」「頻度」「満足度」の経年劣化を確認し、遊技者の動向や考え方を把握する事、そして6号機の遊技状況や遊技者評価、及び遊技者が今後求める6を探索する事を大きな目的とした基礎資料と位置付け。さらに新型コロナウイルス感染症の拡大、ホール禁煙・分煙化といった事象の影響度合いを把握することなども盛り込んだ。

調査は2021年1月13日〜17日までインターネットで実施し、事前調査で集った全国18歳〜79歳の男女6万サンプル回収のうち1万サンプルを人口構成比に合わせて抽出。現行プレイヤー層1536サンプル、休止者層465サンプルについて分析した。

【一部抜粋】
■パチスロ参加人口/パチスロ参加人口は2020年で715.7万人(前年比約94万人減)。頻度別では「週1回」から「2〜3カ月に1回」が約89万人減少、離脱予備層となる「直近半年はなし」は2年連続で130万人以上となった。一方、週2回以上の参加人口は4万人減程度で大きな変化はない。
■以前よりも遊ぶ回数が減った理由/「新型コロナの感染が気になる」が4割以上で最も高かった。それに付随した環境要因では「外出回数の減少」「イメージ悪化」が2割程度。2020年4月からの「禁煙・分煙化」も2割程度が減った理由として回答。その一方で「勝ちにくい」「おもしろい機種がない」といった遊技機に関する要因が上位にある。2020年は、新型コロナ感染拡大の影響、パチンコ店の禁煙・分煙化、新規則機への移行(旧基準機の撤去) が主な減少要因と推察される。
■パチスロをやめた理由/「勝ちにくい」は休止者全体で7割以上、時期別で見ると「1〜2年前」が約8割で最も多い。前年よりも「使えるお金や時間が減った」といった生活要因は低下する一方、「勝ちにくい」「お金がかかる」「時間がかかる」「おもしろい機種がない」といった遊技機要因は上昇した。また直近の休止者ほど遊技機に関する要因が高い傾向。
■パチスロ再開の条件/パチスロの再開条件にあてはまるものとして、「勝ちやすい」「タバコのにおい・煙が気にならなくる」「魅力のあるパチスロ台」が前年同様に上位となった。前年と比較すると再開条件としてあてはまる割合は上昇している。
■5号機〜6号機の機種理解度/6号機の理解度は2019年から2020年にかけて10ポイント以上上昇し、6割以上になった。
■主要な6号機AT機の遊技経験/6号機ATの「遊技経験」は前回よりも4ポイント上昇し、84%が経験ありと回答。「継続意向率」はやや上昇し、8割以上となった。6号機ATで遊ぶ層には、引き続き一定の支持があると考えられる。
■6号機の非継続遊技意向の理由/今後遊技しない理由として「勝ちにくい」が5ポイント上昇し、最も高い。2番目に「通常中が面白くない」となった。「一撃に期待できない」「お金がかかりそう」「連荘に期待できない」「有利区間が好きではない」が3割前後で、このことが、「勝ちにくい」に繋がったと推測される。20円のAT/ART機で遊ぶ層は他のタイプで遊ぶ層よりも否定的な割合が高い傾向。
■一撃出玉と有利区間の上限「納得できない」理由/「一撃の上限に制限がある」「上限枚数に達すると、上乗せG消化ができない」「大量獲得のイメージがわかない」「上限ゲーム数に達すると、十分に獲得できず終了する」が8割以上となった。上限枚数2400枚の制限に対する不満が大きい。
■メダルレスパチスロで遊ぶ際に期待するもの/遊技環境の面で最も期待が高かったのは「手が汚れない」、以下「店員を呼ばなくて済む」「投入の手間が省ける」の順で高かった。前回の調査では「持ちメダルの正確性」が最も高かったが、優先順位が低下した。新型コロナの影響もあり、衛生面や店員との非接触が優先順位として高くなったと考えられる。