財団大遊協 設立より30年、奨学金交付人数は述べ920人に

公益財団法人 大遊協国際交流・援助・研究協会(上浦文雄理事長)は4月7日、大阪市中央区のホテルプリムローズ大阪において、令和3年度年度外国人留学生奨学金受給証書交付式を開催した。

大遊協財団は大阪府内に居住し、かつ大阪府内の大学に通学する留学生に対する奨学金支援事業等を行い、もって国際交流の推進と国際都市大阪の発展に寄与する事を目的に、大阪府遊技業協同組合の社会貢献事業の一つとして設立された。

事業の柱となる奨学金交付事業は府下の大学に在籍する外国人留学生を対象としており、学部生に月額5万円、院生に月額7万円を支給する。今年度は6カ国14大学の学生21名(新規7名と継続14名)への奨学金受給を決定し、交付式当日は上浦理事長より新規・継続それぞれの代表者に受給証書が手渡された。財団は今年7月で満30年を迎える。これまでの奨学金受給者は、今年の新規7名を加えて実人員で414名、延べ920名(26カ国・地域、39大学)となる。

式典は新型コロナウイルス対策として、必要最小限の規模にして、感染対策には最大限の配慮が行われた上で開かれた。受給証書の交付の後、挨拶に立った上浦理事長は、「コロナ禍において人の往来が制限される中、母国に帰る事ができず、慣れない日本の生活にも苦労している留学生が多いのでは。我々は皆様が事故や犯罪に巻き込まれないための相談等も行っていますので頼って欲しい」と述べ、このような時期であるからこそ、大学生活や日常生活に真摯に取り組み、留学の初期の目的を達成して頂きたいと激励した。

続いて来賓として列席した大阪府の播本裕典国際交流監は、大遊協財団がこれまでの30年間、国際交流の発展に寄与してきた尽力に敬意を表した。大阪府では今後更なる成長を担うグローバル人材獲得に向け、留学生たちが卒業後も大阪で住み、そして働けるよう就職支援を行っている。播本国際交流監はコロナ禍によって学業含め日々の大きな制約がある生活ではあるが、健康には十分気をつけ、留学生活が有意義になるよう願った。

最後に奨学生を代表して関西大学のグランズナ ルチア セラフィナさんより謝辞が述べられた。ドイツで生まれ育ったグランズナさんは幼少の頃よりテレビ番組等を通じて日本の文化や歴史に興味を持ち、16歳の時に7カ月、日本でのホームステイ体験をした。その後もホームステイ中にできた友人とインターネットを通じて交流し、日本の文化に触れ続けた事でより興味を抱くようになり留学に至ったという。大学では語学を専攻しており、将来の夢は教師だと語るグランズナさん。コロナ禍で母国より仕送りを行っていた母親が転職するなど経済状態が不安定となり、自身もアルバイトに追われる生活を行う中、学業との両立が難しくなった為、奨学金の申し込みに至った。「奨学金のおかげで学業に専念する事ができます。夢を実現する為にがんばっていきたい」と感謝を伝えた。