一般社団法人 全国遊技ビジネス振興会(曽我部康二会長)は9月9日、2021年第7回ウェブセミナーを開催した。曽我部会長は、コロナ禍の中で、ワクチン接種の普及により、これまでの日常に戻るのは、年末頃までには回復するのではないかという観測があるとして、「パチンコ業界も今、景況感が良いとはいえず、物件的には売りがあるようです。一方で好機とみて物件のニーズも強くあるところです。菅政権が降板する状況下、業界的にも次の政権に関心が及ぶ」と所感を述べた。
第1部「業界の今後の展望」と題して三井慶満顧問(MIDジャパン代表取締役・写真)は、企業としてパチンコ業界も次の経営計画を立てなければならない時期として2022年への展望を示した。その中で、2019年当時の業績に戻そうとしている企業があるのであれば、と前置きして、戻せる企業(店舗)は「依然とかわらない価値を提供できる」。しかし、客数をもとにもどせない店は、出玉、機械、そして人件費など、コスト削減に迫られるとした。「これまでもコスト削減に努めてきたと思いますが、より一層、機械撤去も踏まえて資金が必要になると思います」とした。その中で、コロナワクチンの接種効果が、今年後半にリベンジ消費として表れていくとした。
続けて、不要不急のご時世がこれまで続いているが、その閉そく感が長く続かないのと同様に業界では、2022年1月末に旧基準機が撤去となり、新たな時代が到来する。その時、リベンジ消費に業界挙げてどう対応していくかが重要とした。すでに2019年の状況を超え稼動している一つに4円パチンコがある。ただし、緊急事態宣言の延長の中では、主要な都市圏は伸び悩んでいる状況。コロナワクチン接種の普及前線と同様に経済が活発化していくとした。「消費税込だと60万円台という遊技機も出てくるようですが、お客様がホールを選ぶ基準は遊技機なのかという問題意識がある」として、遊技機、店の雰囲気、従業員の在り方について検証してみたところ、個々の店舗に合った投資バランスが重要とした。自身の検証の結果、機械の入替なしで、業績が上がった自店の例をあげ、ヒューマンな心(褒める・共感)に顧客は魅かれていく事に手応えを感じているとした。
さらに、「機械だけを追っかけるだけでなく、今あらためて、どこに資金を分散させるかを考える事、今からでも遅くありません。面白さは遊技客によって色々あると思います。それをコーディネートするのが店としての真価だと思います」と述べ、11月に開催されるJAPaNセミナーでの講演を予定しており、「コロナ後の時代は3年から5年で人(消費)のライフスタイルはどう変わっていくのか、遊技業もその想定なくしては語れません。そのセミナーで、より詳しくお話ししたいと思います」と述べた。
その後、第2部「接客にニオイがもたらす影響〜好感が持たれるニオイと香りのマナー〜」を伊東亜祐美講師(Kaori+香りアドバイザー)、第3部「2022年完全6号機時代の機種構成は?」を三木貴史講師((株)エスサポート代表取締役)が務めた。