遊技機運送事業協同組合連合会(栗原真会長)は3月7日、ホテルラングウッド(東京都荒川区)においてセキュリティ研修会を開催。昨年から始まった同研修会、今年も2月22日大阪会場から始まり全国4会場において遊技機運送に関わるセキュリティ意識の向上に努めた。
冒頭、遊運連を代表して栗原会長が挨拶。「風適法の許認可営業にかかわる遊技機の運送は、一般貨物とは異なる特殊な輸送となります。本研修会での内容を会社に戻られたら、社員の皆様、協力会社の方にご説明いただければ幸いです。未だ遊技業界における不正事犯の発生は後を絶たずにいます。健全な営業を阻害する不正事犯を撲滅し、善良な遊技ファンの期待を裏切る事のないよう所管行政とメーカー団体、および遊技関連団体より指導をいただくとともに、情報交換を密にし、我々運送会社が携わる運送業務の健全化の推進、全国統一のセキュリティの構築、型式試験に適合した遊技機を、メーカー様の工場からホール様へ間違いなくお届けする事を目的としています」とセキュリティの強化を図り、安心・安全な運送を通して業界健全化の一翼を担っている意義を述べ、昨年4月1日よりスタートした新流通制度の適正な運用に協力を呼びかけた。
第1部「遊技業界における現状について」「輸送におけるセキュリティについて」では、日電協の健全化・セキュリティWGから坂元美之副グループ長、山本文夫委員が講師を務めた。昨年末、IR推進法の成立を受け、依存問題対策が急務となっている。現在、業界連携して対策推進会議により対応が行われている状況とした。輸送におけるセキュリティでは、セキュリティ管理の実態調査(197カ所)を実施した結果(66件の指摘があり、すべて改善完了)に沿って、チェックリストから、保管面で注意すべき10ポイントについて説明した。そして、実際にあった不正事例など説明、質疑応答含め、抑止への理解を深めた。
第2部「パチンコ業界の不正現況と展望」では、セキュリティ専門会社の丸山秋彦主査(セデック(株)セキュリティ事業本部)が担当した。丸山主査は、ホール業界を取り巻く不正環境について自分たちは無縁ではない事を強調した。「不正認知報告は年間150件余(月平均12.6件)。氷山の一角であり、推計するとその20倍程度あるとして、全国で3000件前後とすると、その被害額も数億から数十億円ともいわれている」と、不正防止の意義を強調した。その後「主要な不正手口について」「不正手口の傾向と特徴」「新台と中古台」など、輸送・保管段階での留意事項を説明。最後に後藤達人副会長(遊運連)より、規約等の改正内容や、セキュリティマニュアル等、適正な運用について厳守を呼びかけ、2重3重のセキュリティ体制の構築を共有した。