公益財団法人 大遊協国際交流・援助・研究協会(上浦文雄理事長)は6月17日、大阪市中央区のホテルプリムローズ大阪において、今年度から始まる日本人留学生に対する奨学金の受給証書交付式を開催した。
財団大遊協では平成3年の設立以来、国際交流事業として大阪の大学に留学している外国人留学生に奨学金の支給を行ってきた。設立からおよそ30年、奨学金受給者数も累計400名を越える中、海外留学を希望する日本人学生の力になれないか、との思いを叶えるべく、この度の日本人に向けた奨学金事業を開始する運びとなった。
日本人学生が国際体験を通じて国際理解、知識の拡大などその能力や可能性を広げ、卒業後も国際交流に貢献する有為な人材の育成・助成を趣旨とし、今年度は府内の大学に通う3名を対象に、1人120万円の返済不要の奨学金を支給する。3名の学生はそれぞれ、大阪大学法学部、大阪大学外国学部、大阪市立大学文学部の学部生。留学先はヘルシンキ大学(フィンランド)、リヨン第3大学(フランス)、リーズ大学(イギリス)となる。
交付式では上浦理事長が受給者一人ひとりに受給証書を手渡し、「皆さんは遠く離れた外国で、人生にとって掛け替えのない経験をするため留学を決意し準備をしてきたことと思います。新型コロナウイルスによる影響で不安も大きいでしょうが、私は皆さんの留学したいという強い気持ちが道を開くと信じております。勉学に励み、将来の財産となる多くの友人を作り、1年後にはさらに逞しく魅力的になった皆さんの姿を拝見できることを楽しみにしています」とエールを送った。
来賓として訪れた大遊協の平川容志理事長は、日本のより一層のグローバル化を図るためには、外国人留学生のみならず、多くの日本人の若者が外国の異文化を体験し、グローバルな感覚を身に着ける必要性があるのではと指摘。その様な思いの中、国際交流に寄与する目的で設立した財団大遊協において、日本人留学生奨学金支給事業のスタートに立ち会えたことを嬉しく思うと述べた。そして、「今の情熱をもって、それぞれの留学目的を達成され、日本で学ぶだけでは得られない貴重な知識や経験を身に着けてきて下さい。すばらしい国際人となることを切に希望いたします」と語り祝辞としました。