行政講話 引き続き依存防止対策を要請

一般社団法人 日本遊技関連事業協会(庄司孝輝会長)は6月7日、ハイアットリージェンシー東京において、第29回通常総会を開催。席上、山田好孝課長(警察庁保安課)は、引き続き、ぱちんこ依存防止対策を最優先課題として、8項目を掲げてなお一層の健全化を要請した。特にギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議で決定された論点整理で、ぱちんこへの依存問題の積み残しに対し、業界として継続した努力を要請。規則改正により、ぱちんこ遊技機に「設定」が認められた事から、不正行為である「くぎ曲げ」の抑制にも資するものと、今後の取締りでは、「なお行われるくぎ曲げについてはとりわけ厳しく取締等を行う必要があると考えています」とした。

<講話での8項目>
(1)ぱちんこへの依存防止対策について
(2)射幸性の抑制に向けた取組について
(3)検定機と性能が異なる遊技機の問題について
(4)遊技機の不正改造の絶無について
(5)遊技機の流通における業務の健全化について
(6)ぱちんこ営業の賞品に関する問題について(3点)
(7)広告・宣伝等の健全化の徹底について
(8)ぱちんこ営業所における置引き対策について

(以下、講話)
ただいま御紹介にあずかりました警察庁保安課長の山田でございます。
皆様方には、平素から警察行政の各般にわたりまして、深い御理解と御協力を賜っているところであり、この場をお借りして御礼申し上げます。
ぱちんこ業界の皆様におかれましては、東日本大震災や熊本地震の発生以来、積極的に被災地支援に取り組まれているほか、社会福祉への支援、低炭素社会実行計画に基づく節電・省エネルギー対策等の社会貢献活動にも積極的に取り組まれ、着実に成果を上げているものと認識しており、これらの取組に対しまして、改めて敬意を表する次第であります。
さて、ぱちんこは、我が国の代表的な娯楽産業として親しまれておりますが、依然として、ぱちんこへの依存問題のほか、遊技機の不正改造事犯、賞品買取事犯、違法な広告宣伝・賞品提供等が後を絶たず、健全化を阻害する要因がいまだ多く存在することも事実であります。特にぱちんこへの依存問題については、国会や報道等においても大きく取り上げられるなど、的確な対応を迅速に進める必要があります。
貴協会を始め、業界の皆様におかれましては、業界が置かれている厳しい現状について危機意識を共有していただき、適切かつ着実に取組を進めていただきたいと思います。
さて、本日はお時間をいただきましたので、業界の健全化を推進する上で特に必要であると考えていることを何点かお話をさせていただきます。

■ぱちんこへの依存防止対策について
ぱちんこへの依存問題については、平成28年12月に成立したいわゆるIR推進法の審議において重大な問題として指摘されたほか、同法の附帯決議において、ぱちんこを含めたギャンブル等依存症への対策の強化が求められました。
こうした動きを受けて、平成28年12月に開催されたギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議においては、「幅広くギャンブル等依存症全般について、政府一体となって包括的な対策を推進する」とされ、同会議において、昨年3月に「ギャンブル等依存症対策の強化に関する論点整理」、また、昨年8月に「ギャンブル等依存症対策の強化について」が決定されました。
論点整理等において、「出玉規制の基準等の見直し」、「営業所の管理者の業務として依存症対策を義務付け」等がぱちんこへの依存防止対策の課題として掲げられたこと等を踏まえ、本年2月、出玉規制の強化や管理者の業務への依存防止対策の追加等を内容とする風営適正化法施行規則及び遊技機規則の改正が行われました。
今回の規則改正により、新しい規則に適合しない遊技機は、経過措置の対象となっているものを除いて設置できなくなりました。経過措置の対象であったものでも、検定・認定の有効期間を満了したものは対象でなくなることから、営業者の皆様にあっては、随時、営業所に設置している遊技機が適切なものか確認をしていただき、必要があれば入替え等をお願いいたします。
また、現在、業界において、ぱちんこへの依存防止に資する各種取組が進められていますが、今回の改正で営業所の管理者の業務に依存防止対策が追加され、営業所で行われている各種の自主的な取組が管理者の業務として位置付けられることとなりました。
営業所の管理者の皆様にあっては、
・リカバリーサポート・ネットワークの営業所内外における周知
・自己申告・家族申告プログラムの導入
・過度な遊技を行わないよう客に対する注意喚起の実施
・18歳未満の者の営業所立入禁止の徹底
等のぱちんこへの依存防止対策を各営業所において確実に実施していただくようお願いします。
また、論点整理等では、風営適正化法施行規則等の改正に関するもの以外にも、ただ今述べた、今回の改正で管理者の業務に追加される依存防止対策にも関連する、
・リカバリーサポート・ネットワークの相談体制の強化及び機能拡充
・本人・家族申告によるアクセス制限の仕組みの拡充・普及
・ぱちんこ営業所における更なる依存症対策
等の課題が掲げられており、これらの各課題について、既に業界において積極的に取組を進めていただいていると承知しています。
「リカバリーサポート・ネットワークの相談体制の強化及び機能拡充」については、昨年11月から相談員等を増員した上で相談時間を延長するなどの措置を講じたと聞いています。
また、「ぱちんこ営業所における更なる依存症対策」については、ぱちんこへの依存防止対策の専門員として、「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」を営業所に配置するため、昨年4月から講習会を開催するなど準備を進め、昨年12月から正式に運用を開始し、講習修了者は2万人に達したと承知しています。
さらに、貴協会が中心となって進めていただいている「本人・家族申告によるアクセス制限の仕組みの拡充・普及」については、自己申告プログラムにおいて、これまで遊技使用上限金額のみとしていた申告対象に遊技時間や遊技回数を追加するとともに、本人の同意がある場合には家族からの申告を受け付けることとするなど、昨年12月から新たな自己申告・家族申告プログラムの運用を開始されたと承知しています。
このように、ぱちんこ業界において、ぱちんこへの依存防止対策に積極的に取り組んでいただいており、私どもとしても大変心強く感じております。他方、論点整理等に掲げられた課題の中には、「業界の取組について評価・提言を行う第三者機関の設置」、「ぱちんこへの依存問題に詳しい専門医等の紹介」等、現在もその実現に向けて検討が進められているものもあると承知しています。
こうした検討中の課題についても、できる限り、早期に対策等を実現できるよう業界において必要な検討を実施していただくようお願いします。また、家族申告によるアクセス制限の実施については、昨年12月に開催された関係閣僚会議幹事会における申合せを踏まえ、本人の同意がない場合についても、家族からの申告を受け付けることをお願いしていますが、ぱちんこへの依存問題から家族を守るという社会的要請に応えるためにも、着実な検討をお願いいたします。
加えて、児童の車内放置事案防止対策についても、引き続き取組を進めていただくようお願いします。業界では、毎年5月から10月にかけての期間及び年末年始を「子ども事故防止強化期間」として広報啓発を行い、「子どもの車内放置防止対策マニュアル」等に基づいて対策が進められているものと承知しております。
積極的な取組の甲斐もあり、近年は児童の車内放置による死亡事件は認められなかったところでありますが、残念ながら、昨年は、5月に山口県、7月に静岡県で、それぞれ乳児と幼児が死亡する誠に痛ましい事件が発生しました。これら事件の発生に加え、例年多くの児童の発見事案が続いていることに鑑みれば、児童の車内放置事案防止対策はその徹底した実施が求められていると考えています。
皆様におかれましては、今一度、対策が形骸化していないか確認していただき、この対策の趣旨を徹底の上、積極的な防止活動を改めてお願いしたいと思います。また、必要に応じて、新たな対策を検討するなど、今後も更なる実効性のある取組をお願いします。
以上、ぱちんこへの依存問題への対策についてお話ししてきました。ぱちんこへの依存問題は、ぱちんこ遊技の負の側面と言われることもありますが、この負の側面から目を背けることなく、問題解決に積極的に取り組むことが業界の社会的責任であることを強く認識していただき、業界全体で真摯に対応していただきたいと思います。
こうした取組の積み重ねが、ぱちんこへの依存問題の解決に寄与し、国民の理解を得るものとなることを期待しております。

■射幸性の抑制に向けた取組について
射幸性の抑制に向けた業界の取組として、遊技機製造業者団体が新たな遊技機基準を設け、平成27年6月、全日本遊技事業協同組合連合会が、新基準に該当しない遊技機の削減目標を定め、業界を挙げて、こうした遊技機の撤去に努めた結果、昨年12月を期限に定められていた削減目標値については、営業所全体としては、その目標を達成したとのことですが、営業所別に見た場合、目標を達成できていない営業所が散見されたと聞いています。中には、そもそも削減に向けた努力も行われなかったとみられる営業所もあったと聞いており、残念に感じております。
また、「メーカー団体が特に高い射幸性を有すると区分した遊技機については、ホールはこれを優先的に撤去する」とした6団体合意のとおりには必ずしもなっておらず、むしろ、こうした遊技機を積極的に残そうとする動向さえ見られたとの話も聞いており、こうした点について非常に残念に感じています。
削減目標値の設定は昨年12月までとされていたところ、本年4月、全日遊連は、「特に高い射幸性を有すると区分した回胴式遊技機」について、改めて削減目標を定めたと承知しております。
また、先ほど述べた、「特に高い射幸性を有すると区分した回胴式遊技機」を積極的に残そうとする動向を受け、全日遊連は、こうした動向は射幸性抑制に向けた取組の趣旨を蔑ろにするものだとして、
・高射幸性回胴式遊技機の設置可能台数を増やすため、客が遊技をすることを想定していないような遊技機を設置して総設置台数を増やす、「取組を逃れるための増台行為」を行わないこと
・高射幸性回胴式遊技機の設置比率については、目標値の範囲内で一時的に増減することはあっても、高射幸性回胴式遊技機の早期削減に向け、一貫して「減少傾向」となるよう努めること
を徹底することとしたものと承知しています。
ぱちんこへの依存問題等により、ぱちんこ業界に対し、国民から厳しい視線が向けられる中、業界が自主的に実施すると決めたことが実施できない、また、取組の趣旨を蔑ろにするような行為がみられるという状況では、ぱちんこが国民の大衆娯楽として受け入れられることは難しいと思います。業界における真摯な取組を期待しています。

■検定機と性能が異なる遊技機の問題について
改めて説明するまでもないことですが、検定制度上、営業所に設置され営業の用に供される遊技機については、検定機どおりの性能であることが求められており、検定機と性能が異なる遊技機を設置し営業することは制度上許容されていないばかりではなく、極端な場合には風営適正化法が禁止する著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機を設置していることにもなりかねません。
誠に残念なことですが、営業所において遊技くぎを曲げて検定機と異なる性能を創出する事案は、いまだに継続して発生しております。これまでにも、そのような事案は射幸性の適正管理を侵害する悪質な不正改造事案であると申し上げておりますが、依然、客寄せ等営業者側の都合により入賞口付近のくぎを開け閉めしていた事案が発生しているところであります。
いわゆるIR推進法が国会で審議された際に、ぱちんこ業界に対して大変厳しい意見が述べられたことについては既にお伝えしたとおりですが、このような厳しい現状において、こうした問題が続くようであれば、業界の信用は大きく損なわれ、国民の支持を前提とする大衆娯楽という地位から大きく離れてしまいます。
今回の規則改正では、射幸性の抑制の観点からではありますが、ぱちんこ遊技機にも「設定」の導入が認められたことから、くぎ曲げの抑制にも資するものと考えています。こうした改正を踏まえてもなお行われるくぎ曲げについては、とりわけ厳しく取締り等を行う必要があると考えています。
今後はくぎに関する問題を生じさせないという意識が、遊技機製造業者、ぱちんこ営業者の枠を超えて、業界の方々に広く定着することが必要だと考えております。業界横断的な組織である貴協会におかれましては、正しい認識を全国の各組合員に理解していただくよう周知徹底を図ることはもとより、業界全体をリードして、こうした問題の絶無に向けて積極的に尽力されることを期待いたします。

■遊技機の不正改造の絶無について
近年の不正改造の手口は、不正改造された主基板に他の遊技機から取り出した主基板ケースやかしめを組み合わせることで、主基板ケースやかしめに不正改造の痕跡を残さず、外見上不正改造の発見を難しくしたり、不正改造した遊技機の設置場所が変わっても当該遊技機の位置を特定するためにGPSを付加するといった事案が発生しているなど、ますます悪質巧妙化しています。このような厳しい状況の中、貴協会ではこれまでも精力的に不正改造防止対策に取り組まれ、業界としても不正改造情報の収集や周知徹底、また、これを活かした不正に強い遊技機づくり等の様々な取組が推進されていると承知しております。このように悪質巧妙化している不正事案に対処するため、ぱちんこ営業者、遊技機製造業者という垣根を取り払い、事案の情報共有や有効な防止対策を業界全体で模索し、効果的な施策をより一層推進していただきたいと思います。
また、一般社団法人遊技産業健全化推進機構の活動については、業界の健全化に欠かせないものとして、その役割の大きさを皆様も実感しているところではないかと思います。活動開始以来、立入検査店舗数が昨年度末時点で2万6千店舗を超え、また、検査台数も約19万台を上回り、加えて、これまで立入検査を端緒に検挙に至った事例も多数あり、昨年もぱちんこ遊技機の主基板等の主要な基板以外の基板を巧妙に改造することによって賞球を減らしていると考えられる、新たな不正改造の手口を発見するなど、様々な形で成果を挙げています。加えて、平成27年6月から実施されている遊技機性能調査についても、業界の健全化を進める上で、有意義な取組の一つであると考えています。このような推進機構の活動に対する業界の理解は徐々に深まってきていると感じる一方で、いまだに推進機構の活動に対する理解が低い関係者もいると聞いています。
推進機構の活動が効果的に行われるためには、推進機構に対する各営業所の理解が不可欠であり、立入検査を拒否したり、妨害するような行為は、不正改造の根絶を目指す業界全体の取組に逆行する行為であるとの共通認識を更に広め、業界全体で推進機構の活動を支援するなど、不正改造の根絶を目指す気運を高めていただきたいと思います。警察といたしましても、引き続き、推進機構と積極的に連携しつつ、不正改造事犯に対しては、厳正な指導・取締りを推進してまいりたいと考えております。

■遊技機の流通における業務の健全化について
遊技機の設置や部品交換に伴う手続について、当庁から遊技機製造業者団体に対し、遊技機が各営業所に流通する過程においても型式の同一性が担保される制度の構築と、その運用に関するルールの明文化を要請したところ、遊技機製造業者団体において、「製造業者遊技機流通健全化要綱」等が制定され、平成28年4月から新たな制度の運用が開始されたと承知しています。同制度については、ぱちんこ営業者向けに「遊技機流通健全化マニュアル」が策定され、各種研修等も行われており、業界における制度の理解も進んでいると聞いています。引き続き、遊技機の流通に携わる関係者が正しく制度を理解するよう、繰り返しの研修の機会を設けるなどの取組を継続していただくとともに、必要に応じて制度の更新も検討するなど、遊技機の流通における健全化を一層図っていただきたいと思います。
平成28年4月以降に販売された型式の遊技機については、部品交換の際、変更承認申請に係る保証書の担保として、遊技機の性能が検定機と同一かどうかの点検確認を遊技機製造業者等が一台一台実施することとなりました。また、遊技機の営業所への設置時や部品交換時に行う遊技くぎの点検確認は、これまで目視で行われていたところ、昨年4月以降に新台として設置されたぱちんこ遊技機については、目視による確認の補助として「くぎ確認シート」が使用されており、本年2月以降に型式試験申請されるぱちんこ遊技機については全ての遊技くぎを対象とした「くぎ確認シート」が使用されていると承知しています。こうした取組により確認の精度も向上し、遊技機流通の健全化も進むものと考えています。運用を通じて更に改善を進めていただくようお願いいたします。
新台、中古台に関わらず、それぞれの流通制度を厳格に運用することは、射幸性の適正管理につながるものであり、ぱちんこへの依存問題対策においても大きな意味を持つものであることを改めて認識していただきたいと思います。
他方、昨年、遊技機販売業者登録制度において登録されている遊技機販売業者であり遊技機取扱主任者の資格を有する者が、遊技機の入替えに係る無承認変更事件の共犯者として検挙されました。
当庁としては、このような事件が発生したことは、遊技機販売業者登録制度や遊技機取扱主任者制度の信用を毀損し、流通制度の根幹を揺るがしかねず、看過できない問題であると考えております。
既に関係団体において、再発防止に向けた取組を進めているものと承知していますが、いくら制度を整備しても、その制度を蔑ろにするような者がいれば、制度は機能しません。あらためて、遊技機の流通に携わる関係者の認識を徹底していただくようお願いいたします。

■ぱちんこ営業の賞品に関する問題について
まずは賞品買取事犯の根絶についてです。
平成27年4月に、風営適正化法に関する処分基準のモデルの一部を改正し、現金等提供禁止違反及び賞品買取禁止違反に係る量定基準について、営業停止の基準期間を3月相当に引き上げたことは皆様も御承知のとおりです。貴協会におかれましても、今一度、営業者一人一人にまで、賞品買取行為の規制は、ぱちんこ営業と賭博の一線を画す重要な規制であるということを周知徹底していただきたいと思います。
次に、賞品の取りそろえの充実についてです。
遊技客の多様な要望を満たすように多種多様な賞品を取りそろえることの重要性を踏まえ、平成18年にぱちんこ営業者関係5団体による「ぱちんこ営業に係る賞品の取りそろえの充実に関する決議」がなされたものと承知しておりますが、今一度、この決議の重要性を認識し、そうした意識が業界の共通認識となるよう貴協会が業界をリードしていただきたいと思います。
最後に、適切な賞品提供の徹底についてです。
ぱちんこ店における賞品の提供については、等価交換規制が設けられていることは皆様も当然御承知のことと思いますが、残念ながら、等価交換規制に基づかない賞品提供が行われている状況が認められます。今一度、各ぱちんこ営業者の皆様にあっては自身の営業所の賞品が等価交換規制を遵守したものとなっているか確認し、遵守できていない疑いのあるものは排除していただくようお願いします。

■広告・宣伝等の健全化の徹底について
広告・宣伝等の規制については、依然として、特定の日に特定の遊技機を示し、イベント開催を告知して射幸心をそそるものや、隠語を用いて規制の目をかいくぐろうとするような悪質な事案が発生しており、非常に残念に感じています。こうした広告・宣伝を行うことは、現在業界で進めているぱちんこへの依存防止対策に逆行する行為にも当たるのではないかと思います。このような違法な広告・宣伝等については、今後も指導・取締りを行っていきますが、警察の指導・取締りによって健全化が進められるのではなく、業界全体で認識を改めていただき、業界自らの取組によって広告・宣伝の健全化が進められるよう努めていただきたいと思います。

■ぱちんこ営業所における置引き対策について
置引きについては、平成27年3月にパチンコ・パチスロ産業21世紀会として、「置引き防止マニュアル」を策定していただき、現在も業界を挙げて、その取組が進められているものと承知しております。
また、全国の効果的な事例や、発生した事案の情報を継続的に収集・共有する取組についても、現在、各業界団体の協力により進められていると承知しております。これらの取組や貴協会が設立した防犯対策勉強会で検討した対策を営業所に浸透させつつ、強力に置引き防止対策を進めていただきたいと思います。
今後も、全国の各営業所が遊技客にとって安心できる場所となるよう業界全体の取組として推進していただきたいと思います。

ぱちんこ産業は、遊技人口が減少傾向にあるとはいえ、なお、非常に多くの方々が参加している娯楽産業であります。
課題は山積しておりますが、ぱちんこへの依存防止対策を引き続き最優先課題として位置付けるとともに、その他の課題についても、業界が一丸となって、一つ一つ迅速かつ真摯に対応していただきたいと思います。その実現なくして、ぱちんこは健全な遊技たり得ないと考えます。
今後のぱちんこ業界の皆様の御努力に期待いたします。

結びに、貴協会のますますの御発展と皆様方の御健勝、御多幸を祈念いたしまして、私の話を終わります。
御静聴ありがとうございました。