神奈川遊協 「筋電義手バンク」に150万円寄付

神奈川県遊技場協同組合(伊坂重憲理事長)と神奈川福祉事業協会(伊坂重憲会長)は11月7日、県庁において、神奈川県が普及を進める「筋電義手バンク」に150万円の寄付を行い、黒岩祐治知事から感謝状を受けた。

寄贈式では、伊坂理事長(兼会長)、白石良二副理事長(兼理事)、佐藤信晶専務理事(兼理事)が出席した。神奈川県からは、黒岩知事、足立原崇健康医療局長、小泉遵子県立病院課長らが出席した。

伊坂理事長は、筋電義手バンク発足の昨年から寄贈が2回目になったことに感謝。「私どもは県内に避難されているウクライナの方々の支援を社会貢献の柱としています。戦禍に巻き込まれた方々、特に子どもたちで腕や足を失ってしまっているケースがあると聞き及んでいます。筋電義手技術がより進歩し、必要としている方が安価に日常生活に困らないよう利用できるようになればと思っています。将来、平和が訪れた時、復興物資はもとより、たくさんの筋電義手をお贈りできることが夢です。ぜひ実現したいと思います」と思いを伝えた。

それに応えて黒岩知事は、クリスマスには少し早い素敵なプレゼントに感謝した。「筋電義手はテクノロジーのかたまりであり、今は高価であるが、腕を自由に動かせるようになることから、本人以上に家族の方々からも感謝の言葉を数多く聞いています。伊坂理事長の思いをしっかりと受け止め取組んで進めていきたい」と述べた。

筋電義手は腕の筋肉で発生するわずかな電流に反応し、自分の腕のように動かせる義手。筋電義手を使いこなせるようになるには一定期間の訓練が必要であり、訓練用の義手は1台約150万円と高額で、乳幼児の場合は、成長に合わせて義手の作り替えも必要となる。こうした状況から日本では筋電義手があまり普及していないが、それでも、筋電義手を必要とする方が多くいる事から、県は令和4年度、「筋電義手バンク」を設置し、寄付金を活用しながら進める構想をスタート。昨年に続いて神奈川遊協は連続協力で県民や企業の協力周知への促進の一助になればと取組んでいる。

黒岩知事は県内だけの取組みで終わることのないよう報道機関にも働きかけ、筋電義手の有用性の周知にも働きかけていることを報告。普通に日常生活を送れるようになった子どものドキュメンタリーなども番組制作されているなど、筋電義手バンクに反響が及ぶよう、あらためて伊坂理事長の思いに応えられるよう努めたいと述べていた。

神奈川県遊技場協同組合