公益財団法人日工組社会安全研究財団(椎橋隆幸会長・略称/社安研)はこのほど、「パチンコ・パチスロ遊技障害 研究成果 中間報告書」(企画・編集/パチンコ・パチスロ遊技障害研究会)を発表した。
社安研は、平成25年度より「パチンコ依存問題研究」の事業を実施してきた。「パチンコ依存問題研究」事業も、平成29年12月より「パチンコ・パチスロ遊技障害の研究」事業として名称を変更し研究を続けている。全国調査など現在までの研究成果をまとめ、中間報告書化したもの。同報告書は、A4サイズ50頁ほどの冊子。「なぜパチンコ・パチスロ遊技障害の研究が必要なのか」という第1章から、「全国のプレイヤーの実態を探る」(第2章)、「遊技障害のおそれがある人はどの程度いるか」(第4章)、「障害の疑いのある人の特徴」(第5章)、「予防・介入に向けて」(第6章)など、パチンコ・パチスロへの過度ののめり込みの実態解明・予防・低減に資する調査研究のこれまでの成果をとりまとめた。社安研では、行政、回復施設、医療従事者、研究者、遊技関係者等に、施策や研究、予防・介入等に広く活用される事を願っているとした。本報告書はPDF版として、社安研ウェブサイトにて公開を予定している。
<調査報告書の概要>
本研究会は、まずパチンコ・パチスロの遊技障害の実態を把握するための尺度を開発するとともに、パチンコ・パチスロ遊技と遊技障害の実態把握に努めた。これまでの調査結果では、18〜79歳人口の内、パチンコ・パチスロプレイヤーは約1100万人で、最近1年間で遊技障害の疑いのある人は約40万人と推計した。現役プレイヤーの9割近くはパチンコ・パチスロに使う金額を決めて、その上限金額に達したら遊技を控える等の健全なプレイスタイルでプレイしている事が分かった。一方、遊技障害には、パチンコ・パチスロのプレイスタイル、個人の意識や認知、経験、経済状況、生活スタイルなど、多くの要因が関わっている事が明らかになった。遊技障害の予防や低減のためには、健全な遊技スタイルや生活スタイルを獲得する事が重要であると思われる。