東京都遊技業協同組合(阿部恭久理事長)は10月18日、東京・中野区の中野サンプラザにおいて平成29年度遊技場経営者研修会を開催。挨拶に立った阿部理事長は、「遊技場経営者研修会は今回で15回目となり、組合員企業の経営者が一堂に集う唯一の機会となっております。この場を活用し、東京都の組合員が一丸となり、結束を高めていく場としていきたい」と開催意義を述べた。
今夏、全国では幼児の車内放置事故2件が発生した事を受け、緊張感を持ってホール駐車場等の巡回を行い、事案防止に組合員各位の協力を要請した。安心パチンコ・パチスロアドバイザー養成の進捗では、4月・7月に続き、11月に講習会を予定。都内900店に同アドバイザーを配置できるよう予定。全店舗で各3名配置できるまで講習会継続開催を呼びかけた。来年2月の改正規則の施行に関しては、現行遊技機の認定作業に全力をあげたいと、「5万6000型式、15万8000台の希望台数(調査95%回答)と、膨大な台数となっています。行政ならびに関係団体との連携なくしては到底対応できるものではありません」と、昼間の時間帯、店休も含め余裕ある取組みに協力を求めた。本年12月、新基準に該当しない回胴式遊技機の自主規制30%を必ず守り、早めの達成を要請した。そして、東京都への受動喫煙防止条例への対応を報告した。「私たちの業は、遊技である以上、ギャンブルのように無制限ではなく、様々な規制のもと、広告宣伝、遊技機の出玉性能、消費金額など、おのずと範囲は限られるものだと思っています。しかしながら、過当競争を言い訳にその範囲を外れてしまう事も多々あり、社会の目にはそれが、パチンコはギャンブルではないかと映ってしまうのではないでしょうか。組合員一人ひとりが誇りを持って、社会の一員である事を十分認識していただき、やるべき事を粛々と実行し、信用ある業界となる事を最優先に取組んでいかなければなりません」と組合挙げた総親和と順法精神の率先に協力を呼びかけた。
続いて、警視庁保安課の酒井文博風俗営業係長は行政講話。ぱちんこ営業が今後も健全な遊技として広く国民から支持されるために文字通り、遊技として楽しめ遊べる環境を整える必要がありますので、今後取り組まなければならない事について要請した。
(1)射幸心を抑える取組みの推進について/警視庁管内9月時点のぱちんこ店は、平成7年1679店をピークとして毎年減少、前年942店から38店減の904店。
(2)負の側面への的確な対応について/ぱちんこ営業は、本来禁止されている営業を風営適正化法に定める要件を満たしている場合に限り、許可という形で認めているものであり、法律の規定に従って営まなければならない。しかし、いまだに不正改造遊技機の設置、不適切な賞品提供、著しく射幸心をそそる広告宣伝等、法令違反が後を絶たない状況。ぱちんこをしない人からも広く愛される状態にするためには、こうした負の側面を解消する必要がある。(a)ぱちんこへの依存問題対策/関連する規則改正に伴う認定作業では、早めの申請を要請(b)不正改造事犯の根絶(c)賞品の買取問題(d)等価交換規制(e)広告宣伝等の健全化。
(3)暴力団の排除と犯罪の未然防止について、大衆娯楽としての遵法営業を要請した。
その後、佐藤統機械対策委員長より「規則改正に伴う認定申請について」説明し周知徹底を行った。続き、映画監督の井筒和幸氏を招き「ゼロから1を生み出す映画づくりの舞台裏」と題して、濱田副理事長と高橋青年部会長が聞き役となって特別講演を開催。井筒氏は、高校在学中から映画製作を開始し、「ガキ帝国」(1981年)で評価され「二代目はクリスチャン」「岸和田少年愚連隊」「ゲロッパ」「パッチギ!」などエンタテイメント作品を作り続けている。井筒氏は「映画は映画館で観るもの!」とDVDなどで家で観ては作品の真価が伝わらない、記憶につかないと強調。ザ・フォーク・クルセダーズの「イムジン河」をテーマとし「パッチギ!」のエピソードでは、楽曲の詞を手がけた松山猛氏の「少年Mのイムジン河」という書籍との出会いと楽曲となった背景への感動について熱く語った。パチンコ業界に対しては、「カジノが日本にできるようですが、その中にパチンコルームできないですか。認められないのですか。認めてくれと横断幕を持ってアピールしましょか。私は、日本人はバランスに長けている国民と思うのです、中毒(のめり込み)が問題視されているようですが、パチンコの問題ではなく社会の問題ですね。根源には別の問題、悩める問題が潜んでいると思います。スポーツという言葉の派生をみると仕事一辺倒だけでなく、ちょっと離れて一服しようという意味もあるらしいです。パチンコは立派な余興・スポーツです」と持論を語った。
酒井係長
井筒特別講師