一般社団法人 日本遊技関連事業協会(西村拓郎会長)の北海道支部(美山正広支部長)は10月9日、札幌ガーデンパレスにおいて、第34回支部通常総会を開催した。
松谷義明副支部長の開会により支部総会をスタート。なお、西村会長は急用により欠席の旨、報告した。美山支部長は、日遊協活動に多大なる理解と協力について感謝を述べた。業界の景色が目まぐるしく変わっているが、新しい可能性を模索していることは間違いない。業界の先人たちが努力したように、現状を把握して、様々に対応してきたのであり、少しずつ一歩一歩の前進をしていこうとした。また、広告宣伝、賞品提供、貯玉再プレイのガイドラインが打ち出された意義を呼びかけ、業界の自浄対応の趣旨を呼びかけた。その背景には、業界の連携したブレない対応があった。日遊協の業界横断的組織の礎が発揮されたのであり、行政との信頼のパイプがさらに築かれたのだとした。
福田好博事務所長から、会員総数10社中、8社の出席により成立報告。続いて支部活動状況については、情報共有に専心しているとした。社会貢献活動において、みどりのきずな再生事業への参加、日遊協ボランティア隊員として植林参加。全国クリーンデーに会員各社が積極参加。チャリティゴルフコンペの浄財を北海道新聞社社会福祉振興基金に50万円の寄付・感謝状。そして、自己申告・家族申告プログラムの導入を広く呼びかけ、一気に96.4%(7月末)と向上。今後、全国地域安全運動の参加、北海道遊技産業合同賀詞交歓会(令和7年1月24日)を予定しているとした。
日遊協本部からの御手洗伸太郎専務理事は、①広告宣伝の進捗(グレーゾーンの明瞭化、その為のQ&Aの「おすすめ」「記念日」「店長就任」「AI・アイドル来店」「ステマ関連」対応)②電子化(申請書類のデジタル化、その為の書類の見直し、業界団体間での関連書類の省力・標準化)③貯玉再プレイの手数料(法的には項目がない、経緯についての自覚、私見として民事的な対応が重要)④賞品のガイドライン(賞品の適正化につながる)など、これまでの対応を報告した。
谷島拓人保安課長(北海道警察本部生活安全部)は、「ぱちんこ営業の健全化推進について」講話。①のめり込み(依存)防止対策の推進(当事者ならびに家族等に寄り添った対応・支援、自己申告・家族申告プログラムの取組み評価)②法令等に則った自主的な対応(3つのガイドラインの策定意義、風営法の見直しのため有識者による検討が始まっている)、として日遊協の取組みに期待した。
オンラインセミナーでは、「限界に挑み続けて」と題して、清水宏保氏(元スピードスケート選手・メダリスト)を講師に招いて会員で共有。清水講師は、地元帯広市出身。小さい頃から喘息に苦しむが徹底した治療・管理のもと、スピードスケート短距離界の第一人者として活躍した。1998年の長野冬季オリンピックでは、500mで日本のスピードスケート選手として初となる金メダル(冬季オリンピック個人競技では1972年札幌オリンピックの笠谷幸生氏以来26年ぶり)を獲得。日本で初めての「プロ」(スピード)スケーターとなり、引退後は介護や健康関係のビジネス事業等、幅広く活躍している。
清水講師は、ぜん息というハンディを克服できたのは「逆境」に打ち勝つ心を養ってこれたことと振り返った。そして、客観的に自分を見るためには、失敗を次へ繋げるために戦略を練ること、困難に立ち向かうことから学ぶことがとても多いこと、自律神経のコントロールや、より良いモチベーションの保ち方、プレッシャーに勝つ方法、諦めない技術、どうしたら成功することができるのかなど、チャレンジについて話した。また、アスリートとして成果を収めることができたのは、「変化に順応できたこと」とした。競技場のリンクにおいて、氷(軟水・硬水など)、気温、天候(気圧)など、細かな点で記録はコンマ何秒の差になること。そのために、スケート靴の材質、靴底につけられたブレードも敏感に対応していかなければいけないことがわかったという。若い頃はガムシャラに突き進むことしかできなかったが、歳を重ねるにつれて、本当に細かいことに細心の注意を払っている、その意識を持つことが、目標が実現していくプロセスとした。最後に、「当時、身長190㎝クラスの外国人選手の中で、162㎝の身長の私が金メダルを獲れたのは、感じることができたことが大きかったし、今もそれを実践していきたい」と述べていた。