一般社団法人 日本遊技関連事業協会(西村拓郎会長)の人材育成委員会は9月23日、オンラインにおいて第17回「人材育成フォーラム」を開催。今回は、「コロナ禍におけるエンゲージメント向上へのアプローチ」をテーマとして、14社30名(スタッフ・講師・取材など関係者合わせると約50名)が参加した。
担当役員の都筑善雄副会長からは、「様々なテーマで開催しているが、今回はエンゲージメントをテーマとしました。テレワークが長期化の様相にあり、皆で集まって雑談という事が少なくなりました。質問が出しにくい、仲間が作りにくいという中、このフォーラムを糧に今後に活かしていただきたい」と意義を述べた。
講演は3題で、「コロナ禍におけるエンゲージメント向上へのアプローチ」について花岡健太氏((株)リンクアンドモチベーション・組織開発本部)、「社会が求める新たな喫煙のカタチ」について高井謙吾氏(フィリップ・モリス・ジャパン(株)日本橋ユニット)、「コロナ禍で変化したホール企業の採用について」中村祐希氏((株)パック・エックス営業本部長)、それぞれ新しい生活様式の営業スタイルや人材育成のヒントとなる事例や企業の採用状況についてなど問題共有を進めた。
「エンゲージメント向上へのアプローチ」について花岡氏は、企業経営で一番大切な事が、後回しにされていると、労働市場(エンゲージメント)に対する「社員とは『投資家』である」という価値観が重要と力説した。エンゲージメントを高める事で、社員の定着率、モチベーション、生産性など向上し、社員と企業がともに成長していく関係とした。「社会が求める新たな喫煙のカタチ」で高井氏は、今年4月より改正健康増進法が完全施行となり、マナーからルール(法律)となった事。その事から、ホール営業、事務所における喫煙課題についての対応を述べた。「コロナ禍で変化したホール企業の採用」について中村氏は、求職者の動きの変化、企業の採用意欲について現状を述べた。新卒採用では、2022年度採用に向けては、費用は3〜4割減、人数では約3割減。多くの企業では、当面見合わせという反応(新卒採用を止めるのではない)。全業種でも新卒採用減の中、捉え方によるがパチンコ業に関心を向けしっかり人を集めるチャンス。コロナ前と比べ2.5倍程増えたのが、中途・未経験の若年層。コロナ禍で職を失ったり、給与が減ったサラリーマンのダブルワーク希望など、選べるチャンス。企業の採用意欲はコロナ前100と比べ、今は60位。「多くのホール企業では、コロナに対する休業補償が手厚かった事もあり、アルバイトなど離職は少なく、現状稼動が戻っていない事で、新規アルバイトの採用意欲は低い」と状況を説明した。採用費用については、イベント費用が5割、ナビ掲載費用2、3割、削減、残りがオンライン化で交通費や人件費などと想定した。
このフォーラムは、人事担当者の交流を促す活動として、2012年6月から開催をスタート。今回は初めてのオンラインによる開催となった。パチンコ業界で働く会員企業の人材担当者の参加により、活き活きと働ける環境づくりについて問題共有を広げていくのが目的となっている。