日遊協 厚労省ヒアリングで喫煙室基準など意見要望

一般社団法人 日本遊技関連事業協会(庄司孝輝会長)は8月10日、厚生労働省の健康局長室において、健康局健康課の担当者とのヒアリングに出席。日遊協は、社会貢献・環境対策委員会(薛博夫委員長)の岡林克彦副委員長が出席した。

7月18日に可決した受動喫煙防止強化のための健康増進法の一部を改正する法律は、2020年4月までに全面施行される。パチンコホールは「多数の者が利用する施設」に該当し、原則屋内禁煙。専用喫煙室を設ければそこでは喫煙可とされる。加熱式たばこはパチンコを打ちながら吸えるが、それ専用の喫煙室が必要になり、その基準等は省令待ちとなっている。そうしたところから、8月下旬に「厚労省たばこ専門委員会」において喫煙専用室等の基準を審議する予定となっており、厚労省では関係団 体への事務局ヒアリングを実施している。

日遊協は、パチンコ業界の実情として、(1)IR実施法、依存対策の一環による規則改正など3年後の市場動向が不透明(2)他産業に比べて喫煙比率が非常に高い業種であり、喫煙室の基準によっては過度の負担となり閉店に追い込まれるホールが少なくないと説明。喫煙室の基準等については、一定の経過期間をいただき、遊技客の理解を得つつ、段階的に受動喫煙を防止するための環境整備を着実に進めていくべきであると、意見・要望として2点(1)指定(加熱式)たばこ専用喫煙室の技術的基準(2)厚生労働省受動喫煙防止対策助成制度等の拡充、について述べた。

【意見・要望】
(1)指定(加熱式)たばこ専用喫煙室の技術的基準
パチンコホールは、構造設備について、風営法により厳格に規制されているため、喫煙所の基準・内容によっては、設置のため相当な期間休業が必要な場合も想定され、事業者へ大きな負担を強いることになります。したがって、対策をスムースに推進するためにも、風営法業種特有の事情に配慮していただき、風営法のほか、建築基準法、消防法等の既存法令に抵触するような基準の策定は極力避けていただくような配慮をお願いします。
特に加熱式たばこについては、燃焼を伴わず副流煙も発生しないことから、受動喫煙の健康影響は少なく、現時点では科学的知見においても明らかではないものと認識しております。その基準は、喫煙専用室より間切りの方法や排気等について極めて簡易なものにすべきです。加熱式たばこ専用喫煙室は、ホール内を区分する必要があり、その技術的基準が、風営法第9条(構造及び設備の変更等)に基づく承認手続きが必要なものとなった場合、公安委員会へ工事着工前の申請・工事完了・現地調査・承認の一連の手続きが必要となり、その間少なくとも2週間程度は営業休止を余儀なくされ、設置のための相当な休業期間と費用が必要となります。
また、複数のフロアを有する施設については、構造及び設備の変更等を伴わずにフロア毎で加熱式たばこの使用が認められるべきと考えており、過剰な設備投資とならずに事業者が採用しやすいフロア分煙の基準を要望します。加えて、施設内の加熱式たばこ専用喫煙室の広さの割合については、施設の実情に合わせて事業者の裁量に委ねられるべきと考えており、あわせて要望いたします。

(2)厚生労働省受動喫煙防止対策助成制度等の拡充
喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室をパチンコホールに設置する場合、上述のとおり、少なくとも2週間程度は営業休止を余儀なくされ、設置のための相当な休業期間と設備投資が必要となります。本年度の助成制度は上限額が200万円から100万円に減額されておりますが、罰則を伴う法の厳格化と施行にあわせて、その上限額や対象事業者について、改めての拡充を要望します。