一般社団法人 日本遊技関連事業協会(西村拓郎会長)は7月7日、本部会議室においてオンラインを使い、パチンコ・パチスロ依存問題防止研究会報告を行った。
報告では、「高い出玉性能の遊技使用が遊技障害うたがいのリスクを増す原因になるとは言えなかった」「広告宣伝の視聴、イベント参加が遊技障害うたがいのリスクを増す原因になるとは言えなかった」とまとめた。
同研究会は、遊技障害に対する社会的要請から、科学的な調査研究に基づく効果的な対策を模索する事を目的に、日遊協30周年記念事業の一つとして2018年10月に活動を開始。公正中立で、なおかつ依存問題に関する専門知識を持つ外部有識者で構成されている。脳科学者の篠原菊紀座長(日遊協理事・公立諏訪東京理科大学・医療介護・健康工学部門)は、約2年間の遊技者に対して3回の追跡調査を行い、出玉性能、広告宣伝やイベントは、「ぱちんこ関連のギャンブル等依存症の原因になるとは言えない」との調査分析結果とした。併せて「コロナ禍」で、「ぱちんこ関連のギャンブル等依存症を増やしたとは言えない」、「健全プレイ(金額制限、時間制限)の推進が予防的に有望」とした。
今回の調査などを踏まえた上で「ぱちんこモデル2021」を示した。
①ぱちんこ遊技は個人の選択と責任である
②事業者は、プレイヤーが適切な選択ができるよう、正確な情報を提供する
③安全なぱちんこプレイは可能だし、ほとんどの人はそのように遊んでいる
④高いリスクの人(※)にとっては、ぱちんこが自身や家族に大きな害となりうる
(※)不安、抑うつ、衝動性が高い人。刺激希求性が高い人がストレスを感じている時。両価性の強い人。自分はぱちんこがコントロールできないと思っている人。併存障害を持つ人。「暮らし」「仕事」「学習」「余暇」に楽しさが見いだせない、生きづらい。
⑤ぱちんこ遊技での問題を減らすのに、断ぱちんこは必須ではない
⑥ぱちんこで問題が生じているプレイヤーでも、参加の制御は可能である
同研究会では、今後も継続して調査・分析を進め、遊技業界における依存問題に関する知見を積み重ねたいとしている。