一般社団法人 日本遊技関連事業協会(庄司孝輝会長)の遊技機委員会(内藤裕人委員長)は12月10日、TKP東京駅前会議室(東京都中央区)において、「第1回 明日の遊技機フォーラム」を開催し30名が参加した。パチンコ・パチスロ産業に将来について考える同フォーラムでは、過去の歴史、そして今後の遊技機をテーマを通して、ぱちんこ・パチスロユーザーのニーズをとらえた目新しい遊技機開発のアイデアを派生させ、展開していく事が目的。今回は、内藤委員長が「ぱちんこ業界の歴史」、日工組から渡辺圭市技術担当理事、高津巨樹部会長(管理遊機部会)、日電協から岩堀和男副理事長、高橋純一技術ワーキング長がパネラーを務めて、「管理遊技機・メダルレス遊技機について」を再確認した。
●講演「ぱちんこ業界の歴史」では、産業の盛衰がなぜ起こったのか、また遊技機に対する度重なる規制強化がなぜ必要だったのか等について、時代背景を踏まえながら解説。参加者は5〜6名のグループに分かれ「20年後のぱちんこ業界を存続させるには」をテーマにディスカッション。「参加人口減少の進行が一番の問題。業界の課題を解決し、将来社会から必要とされる業界でありたい」「業界が一つにまとまって進むよう自主規制を行い、それを守っていく必要があるのではないかと感じた」など意見が挙がった。
●パネルディスカッション「管理遊技機・メダルレス遊技機について」は、4名のパネリストが説明。新型遊技機開発の進捗度合い、販売価格見通し、枠や発射装置を含めた構造、収集されるデータの取り扱い、依存問題対策へのアプローチ、遊技フロー、ゴト対策機能、メンテナンス方法など多岐にわたって具体的な情報を開示。質疑応答において、「市場投入のタイミングはいつぐらいなのか」という質問に対して「各メーカーの状況次第となるが、2020年11月にリリースできるようにと考えている」(日工組)、「初号機については、遅くとも2021年2月のリリースを目標としている」(日電協)と、それぞれ見通し。
グループディスカッション後の総括した発表において、共通枠の採用や認定検定期間の延長、部品の長期安定的な供給の方策など数多くの意見が挙がった。また、新型遊技機のネーミング変更や、稼働中のデータ収集を担保にした新たな射幸性の適正管理構築の必要性の声もあった。発表を受けた日電協の岩堀副理事長は、「色々な意見を聞いて、考えなくてはならない事がたくさんあった。ゲーム性をどこまで魅力的にできるかという点はもとより、長期的に考えていかなければならない課題も多いと感じた」などと答えた。一方、日工組の渡辺氏は、「共通枠や部品の問題など難しい課題も残っている。また、管理遊技機という名称についても公募による見直しを含めて検討したい」などと答えた。