岡田美術館 美術館対局、里見女流名人最多連覇記録に向け先勝

(株)ユニバーサルエンターテインメント(本社/東京都江東区)が特別協賛する女流名人戦、第46期「岡田美術館杯女流名人戦」五番勝負の第1局は1月19日、 岡田美術館(神奈川県箱根町)において開催。第1局は里見香奈女流名人が谷口由紀女流三段を88手で破り先勝した。女流名人戦は、女流棋士の誕生とともにスタートした最も古い歴史と伝統のあるタイトル戦。そして冠名を「岡田美術館杯」とした4回目の女流名人戦となった。里見女流名人は、この五番勝負を制すると、11期連続での女流名人在位となり、女流棋戦歴代単独最多に向けて好発進となった。

19日の対局当日、箱根は前日からの雪により、一面が銀世界に変わっていた。岡田美術館の日本庭園内にある開化亭の対局室において、午前9時半に小林忠館長(岡田美術館)の振り駒は「と金」(裏返しの歩)4枚で谷口女流三段の先手で始まった。先手(谷口女流三段)は8筋に飛車を振り、後手(里見女流名人)三間飛車と相振り飛車の序盤となった。昼食休憩の前、飛車交換が行われた事で、守備をしっかり固めていた里見女流名人と、居玉のままで、これから守備固めが必要になる谷口女流三段。そのため攻守の流れは、里見女流名人に形勢が傾いていったようだった。

午後からは岡田美術館・5階ホールにおいて、現地大盤解説会(解説者/戸辺誠七段、聞き手/加藤桃子女流三段、安食総子初段)が開かれ、全国各地から約70名の将棋ファンが参加した。清水市代女流六段(日本将棋連盟常務理事)、高橋道雄九段(立会人)など、大盤解説にも出演して、盛り上がりを見せていた。

終局直後の午後4時半過ぎ、大盤解説に登場した両対局者は、「自分の力を出し切れるよう、第2局以降も頑張っていきたい。応援よろしくお願いします」(里見女流名人)、「たくさん集まっていただき本当にありがとうございます。あこがれていた箱根・岡田美術館での里見女流名人との対局でした。これからも精いっぱい頑張ります」(谷口女流三段)とファンにあいさつしていた。第2局は1月26日、島根県出雲市で開催する。

谷口女流三段の先手で対局は、はじまった

前日の雪ですっかり銀世界となった対局場の開花亭

大盤解説で両対局者が挨拶(左より加藤女流三段、谷口女流三段、里見女流名人、戸辺七段)