大阪府・大阪市IR推進局は3月28日、大阪府立大学 I-siteなんば2階カンファレンスルーム(大阪市浪速区)において、最終10回目となる「知る、分かる、考える、統合型リゾート(IR)セミナー」を開催し、公募者約110名余が参加した。最終セミナーでは、国のIR制度設計に有識者委員として携わった美原融氏(大阪商業大学総合経営学部教授、同アミューズメント産業研究所所長)を迎え、「IR実施法案の論点とは?」と題して、今後のIR実施法案を予想した。
私見として、今国会でIR実施法案を成立させるためには、3月末までに法案を確定、ゴールデンウィーク前後から法案が提出され、審議しなければ年内成立はならないだろうと予想。ただ、国会の審議は依然流動的である中、議員立法のギャンブル等依存症対策基本法案が先決とする審議順の影響もあって、会期延長も辞さない覚悟での慎重審議となるだろうとした。
今は、与党IRに関するワーキングチームが重要論点をまとめている段階。その論点予想として、認定区域数3、入場料5000円、入場回数制限7日間3回 ・ 28日間10回、納付金率30%(売上連動)、本人確認マイナンバーカード前提等になるだろうとした。IR実施法案は、条文が250を超える大作になるだろうと、日本ではじめての制度の取り組みであり、行政手順も慎重にならざるをえないとの見方。
最後に「さて大阪は?」として、国の制度ができる事は確実。どう大阪がこれを実現し、実践できるかは別の問題とした。その中で、自治体として一番重要な事は、IR施策について府・市民にわかりやすく、広く理解を得る事であると強調。特に「納付金を何に使うのか!」を目に見える形で広く打ち出す必要性が一つあると述べていた。
大阪府・市IR推進局では、平成30年度も一定の予算を確保、法案の成立にすみやかに対応できるよう、準備に努めたいとしている。