大阪府(市)は3月1日、府民に向け「大阪IR〜大阪・関西の成長に向けて〜」と題した広報紙を発行した。
大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)に誘致を目指しているカジノを含む統合型リゾート(IR)計画に関し、府民に理解を求めるため、活発に対応を進めている。パブリックコメント(12月23日〜1月21日)、説明会(11回・うちコロナまん延防止措置により4回は中止)、公聴会(4回)を実施した事などで、概ね理解を得られたという今回の広報紙の内容となっている。
パブリックコメントでは、537名(団体含む)から1497件の意見があったと公表(公表可の意見1371件、2月16日発表)。また2月10日、大阪市の2・3月議会において、大阪府と市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の賛否を問う住民投票を行うための条例案は、反対多数で否決。
推進母体となる、大阪IR(株)(中核株主・合同会社日本MGMリゾーツ、オリックス(株)、少数株主・関西地元企業を中心とする20社/岩谷産業、大阪瓦斯、大林組、関西電力、近鉄グループホールディングス、京阪ホールディングス、サントリーホールディングス、JTB、ダイキン工業、大成建設、大和ハウス工業、竹中工務店、南海電気鉄道、西日本電信電話、西日本旅客鉄道、日本通運、パナソニック、丸一鋼管、三菱電機、レンゴー)は、夢洲に設置し運営する計画(事業期間は35年間)。懸念事項として①ギャンブル等依存症対策②治安・地域風俗環境対策について挙げ、最小化を図っていくとしている。
開業に向けては、「2029年秋から冬頃を目指している」「現時点での不確定事項・課題(新型コロナウイルス感染症の影響、国の詳細制度設計、夢洲特有の課題)の解決が必要不可欠」「大阪市(港営事業会計)が概算額約790億円を負担」を挙げている。4月までにこの計画を国に申請する予定で進めている。