公益財団法人 大遊協国際交流・援助・研究協会(高島洋理事長)は12月14日、大阪市中央区のホテルプリムローズ大阪において、奨学生親睦交流会を開催。 同財団が奨学金を寄贈する留学生や受給者OB・各大学事務担当者等、計55名を招き、講演や卒業生の体験発表を行なった。
冒頭、挨拶に立った高島理事長は「師匠も走ると言われている師走の12月は、ヒト、モノ、カネの動きが活発となり、伴って犯罪も増える季節です。また、正月はお酒がよく入るので、気を大きくした人が飲酒運転をしたり、またはそれに巻き込まれて事故が起こったりします。大阪は犯罪の多い街です。特に女性の皆さんは気をつけて生活してください。」と、留学生たち犯罪の被害に遭わないよう注意を呼びかけた。
茶道裏千家の小林宗恵準教授教授による「おもてなしの心」と題した講演では、小林準教授が、おもてなしとは“表無し”、つまり、裏表無く純粋に人の為を思う気持ちであると述べた後、
「『和敬静寂』(主人と賓客がお互いの心を和らげて謹み敬い、茶室の備品や茶会の雰囲気を清浄にすること)という言葉の通り、茶道とはつまり、ただお湯を沸かして客にお茶を楽しんでもらうというただそれだけの行動ですが、その中に客をもてなすための様々な工夫をはじめとするおもてなしの心が入っています」と茶道の本質について触れた。そして最後に、この講演を機会に茶道に興味を持ち、日本の良さを見つけてもらえればとまとめた。
続き、奨学生OBとして大阪府立大学工学部を平成25年に卒業したグエン タイン トゥアンさんが体験発表を行った。テーマは就職活動について。留学生はそもそも日本語が日本人より話せないという部分が既に不利であり、そのハンディを背負ったまま就職活動、そして就職した後の仕事を頑張らなくてはいけないと現況を述べた。「学生の内は『留学生です』と言えば拙い日本語であれ、日本の文化に理解がなくとも許してもらえてが、社会に出たらそれはもう通じない。言葉がわからない分、なおさら自分を理解し、そして相手を理解する努力をしていかなくてはいけません。」とこれから就職活動をしていく奨学生たちにアドバイスを送った。