回胴式遊技機商業協同組合(大饗裕記理事長)は7月3日、近畿支部(鈴木誉人支部長)において地区研修会を開催。地区組合員はじめ、本部役員や特別会員、賛助会員等、合わせて約100名が参加した。
冒頭、実行委員を代表して壇上に上がった鈴木支部長は、元号が令和に変り、初めての研修会だと述べ、「状況的に非常に皆様苦労されているのではないでしょうか。業界は大変なときを迎えていますが、今後もしっかりと運営していきたい。」と挨拶。研修会は大阪府警察本部生活安全部保安課より森本清孝課長補佐を招いての講話をはじめ、各種委員会報告、顧問弁護士によるセミナーなどが行われると説明し、研修会の内容をしっかりと理解し、健全な遊技機流通の一助となるべく協力を呼びかけた。
講話を行った森本課長補佐は、最初に府下の犯罪情勢について報告。刑法犯認知件数は平成13年をピークに年々減少し、昨年は平成元年以降、はじめて10万件を下回った。しかしながら、ひったくりや路上強盗の認知件数は全国最多である事や、特殊詐欺の認知権巣は前年を上回り、一日当り1000万円の被害がでるなど、予断の許されない状況にあるとした。
府下のホール営業所数は平成30年末で761店舗。ピーク時である平成8年の1271店舗と比較すると510店舗減少した。しかしながら、遊技機の設置台数は同年と比較すると35万5千台から32万1千台でそれほど大きな変化は無いと指摘。全国的に見ると店舗数は東京に次ぐ2番目の規模だが、遊技機設置台数は東京を上回っており、大型化の傾向がより顕著だと分析した。
昨年2月1日施行となった規則改正においては、過度な遊技を抑制すべく、4時間5万円を標準に定め、出玉規制の強化が行われた。しかし、経過措置として2月1日以前に認定申請をしていれば3年間は認定機として営業所に設置が可能であり、更に新規則機の先行きが不透明だったことから、認定申請が殺到した。府下では4ヶ月の間に5年分となる5万4千型式、15万台の認定申請が行なわれ、森下課長補佐は業界の各種協力によって処理する事ができたと評価した。
遊技機の健全な流通に関しては、平成28年4月以降に販売された型式の遊技機は、部品交換の際、変更承認に係る保証書の担保として、遊技機の性能が検定機と同一かどうかの点検確認を遊技機製造業者等が1台1台確認する事となったことに触れ、「1台毎の点検作業は大変なことだとは思いますが、メーカーが製造販売する遊技機の型式の同一性を担保し、流通過程における不正行為を防止する最後の砦として形式的な点検で終えることなく適正で確実な点検を」と要請した。
改選期にあたる今年は、新執行部の選出などが行われた。大饗理事長は挨拶の中で、厳しい時勢を鑑み、2年前と比較して事業予算を50%まで削減する緊縮財政を敷いたと報告。組合員が直接関係する部分はなるべく削減せず、役職者・理事を中心に会議等における費用を削減する運びとなったと述べ、組合運営への理解と協力を求めた。その後、新体制における支部役員と役付理事をそれぞれ紹介し、5月28日開催の令和元年度通常総会の決議事項や委員会報告などを行った。