兵庫青年部 親組合と共催で「ゴト対策セミナー」開催

兵庫県遊技業組合連合会青年部会(米田邦広部会長)は12月15日、神戸市中央区のANAクラウンプラザホテル神戸において、「ゴト対策セミナー」を開催した。セミナーは兵庫県遊技業協同組合との共催で行われ、部会員をはじめ、組合加盟ホールの店長等、約220名が集まった。

開会に先立ち、米田部会長が壇上に上がり挨拶。厳しい状況であるが、ゴト対策を怠ってはならないと述べ、「青年部会では定期的にセミナーを開催し、部会員の知識やスキル向上に努めています。一人でも多くの方に部会員になって頂けますようご協力をお願い致します」と呼びかけた。続いて親組合を代表して岡本芳邦理事長が、「ゴトの手口は年々巧妙化しております。中には内部犯行による手口も散見されております。従業員の管理も怠ってはいけません。大変な時代です。それを乗り切る為の知識と知恵をこれからも学び、営業に活かして頂きたい」と挨拶した。

セミナーのテーマは「最新の不正事例と発見時の対応方法」だ。(株)ジーティーネットから講師として4名が訪れ、それぞれ最新のゴト手口や対策、有事における対応のポイントなどを語った。はじめにCS事業部の石谷学部長より、ゴト事案の現状について説明が行われた。石谷部長はゴト事案の件数自体は年々減少傾向にあるものの、それは手口の変化などによって顕在化しにくくなっている為だと指摘。特に今年はセルゴトの被害が昨年の4分の1となったが、クレマンや電磁波など、分りにくい手口の犯行が目立ったと語った。

続いて同検査課の大森慧副主任よりゴトの手口について解説が行われた。パチンコにおける不正では「油玉」「糸付き玉」「釘曲げ」について。パチスロでは「電磁波」「不正セレクタ+不正集中端子盤」「不正サブ中継基板の仕込み系」の各種手口が狙われやすい機種や事例を交えて説明された。特にユニバーサル系機種で被害が多発している不正サブ中継基板による手口の説明では、近畿地区統括の小川直也氏が実機をもってセット打法による実演を行った。不正サブ中継基板は近畿地区において交換作業に従事していた業者が仕込んだという事例もある。データからの発見や目視による確認はほぼ不可能であるため、X線検査による発見が最も効果的だとし、今後も注意が必要だと呼びかけた。

最後に検査課の野中晶平係長がそれぞれの手口における傾向と対策を述べ、現場にてゴト師を発見した場合の有事対応についてポイントを説明した。有事対応においてはお客様、そして従業員の安全を第一に考えて対応しなければならない。その為にゴト師に対する抑止効果や従業員に対する注意喚起、交換拒否する際の後ろ盾になるハウスルールの掲示が有効的だと野中氏は提案した。また、ゴト師への対応については、警察に通報してから証拠不十分として釈放されないよう、映像やデータなどの証拠を揃えておく事が重要だとした。最後に、「検挙事例が出ればゴト師から警戒され、店に寄り付かなくもなります。ホールで働く従業員の『ヒトのチカラ』があってこそ店舗が守れます」と述べ、まとめた。