全日本遊技事業協同組合連合会(阿部恭久理事長)は2月20日、遊技会館において障がい者雇用促進講習会を開催した。全日遊連では、国をあげて喫緊の課題となっている「障がい者雇用の促進」について開かれた業界として国民から認識してもらえるような環境づくりの一環として「遊技業障がい者雇用促進会議」を通して昨年より検討を進めてきた。その取組みの第1回となる講習会には、組合員企業の関係者約70名余が参加した。
阿部理事長は主催者挨拶で、「最近、障がい者雇用について関心を集めていますが、障がい者の方々を受け入れ一緒に仕事をしていく姿勢が必要であると、以前から私どもは思っていました。障がい者の方々は得意な分野を持っている方も多くいると思います。そうした得意な面にも着目して、一緒に仲良くパチンコ業界の仕事に活かしていただきたいと思っています。その第一歩としての講習会です。これをきっかけとして、障がい者の方々の仕事の場が広がっていくようにしていきたい」と、障がい者雇用に対して前向きな産業として動き出す講習会の開催意義を述べた。
基調講演では、荒井一雄氏(中央障害者雇用情報センター障害者雇用支援ネットワークコーディネーター)、村田洋司氏(埼玉県障害者雇用総合サポートセンター)の2講師が担当。荒井氏は、花王の事業所内で、工程の一部を障がい者が担当する作業を受託する花王ピオニー(特例子会社)の代表取締役をしていた経歴。村田氏も、大東建託の名刺、書類発送業務、印刷、事務作業などを受託する大東コーポレートサービス(株)(特例子会社)の代表をしていた経歴の持ち主。障がい者雇用の社会的背景、企業が地域社会で根付く存在としての障がい者雇用の重要性、障がい者雇用を成功させるポイント等を説明した。
第2部のディスカッションでは、森治彦事務局長の司会進行により、SAPハピネス(株)(サンキョーの特例子会社)、(株)ニラク・メリスト(ニラクの特例子会社)、(株)ビジネスパートナーズ(DYJHグループの特例子会社)、(株)アスカの4社が登壇、遊技業界で障がい者雇用の先駆的企業の取り組み事例を紹介した。
○SAPハピネス(株)・林善宏代表取締役/2011年7月より障がい者の雇用開始。2012年3月特例子会社認定。障がい者22名(雇用率6.3%)。事業内容は、クリーニング事業、空調フィルタ洗浄、リサイクル事業、POP補助作業、館内清掃、駐車場巡回。
○(株)ニラク・メリスト・佐藤淳子取締役ゼネラルマネジャー/2010年特例子会社。障がい者43名。企業在籍型職場適応援助者3名。事業内容は、店舗・本部の建物清掃、除草作業、アグリ、社宅管理。
○(株)ビジネスパートナーズ・田子雄治代表取締役/ダイナムジャパンホールディングス(DYJH)グループの障がい者雇用特例子会社として2011年1月設立。障がい者22名。業務内容は、オフィス清掃、さをり織りバックや小物等の制作・販売、障がい者就労支援事業所「あさひ」の運営。
○(株)アスカ・黒田亘総務部長/ホール7店舗を経営。その中、秩父寺尾店において2018年4月より障がい者雇用をスタート。障害者支援センターの紹介のもと、仕事体験を経て、面接というプロセスで現在3名。
組合員ホール関係者が参加した講習会
SAPハピネスは業務の模様を動画で発表した